建設市況レポート(22年12月)
今月の建設市況と今後の見通し
物価上昇が続いた今年…
W杯サッカーは盛り上がりましたね!まさか日本代表がドイツ代表だけでなくスペイン代表にまで勝つというジャイアントキリングを成し遂げ、ベスト8には届かなかったものの素晴らしい活躍だったと思います。
我々建設業界も脱炭素や車・精密機械・半導体業界がけん引している設備投資にお応えすべく奮闘した1年でした。
少し細かい図になりますが、2020年1月からの建設資機材の推移をお示しします。(出典:日経NEEDs、建設物価調査会より)
詳細は述べませんが、鉄スクラップや電線関連が下がってきている一方で、鉄筋、H形鋼、合板関連のUPに合わせて赤線の事務所(RC、S)が上昇し、昨年から今年上旬までに30%前後はUPしています。
2019年末にオリパラ関連施設の建設が完了し、2020年初頭は一端下降気味になりましたが、コロナウイルスの拡がりと共に資機材の高騰が加速しているように見え、直近の数カ月は高止まりをしているという様子のようです。
またクリスマスの日経新聞一面に「2022年度の設備投資動向調査」が掲示されていました。
「リーマンショック前の好況を背景に投資が増えた2007年度以来の15年ぶりに過去最高(30兆円)を更新し、伸び率も2000年度以降で最も大きい」。
この内、少なからず建設関連にも投資されていると考えると、我々の繁忙も理解でき、かつ建設業界の人手不足も相まって、需要と供給のバランスから価格がUPしてきていることが想像できると思います。
いつまで高騰が続くのか、また世界と比べて日本の賃金の安さが囁かれている昨今、賃金をUPする方向に傾くならば当然労務費もUPして価格を押し上げる方向に向かうと思われ、各業界でビジネスモデルの変革が求められるかもしれませんね。
さて、下記に先月のコスト状況(12月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は横ばいです。(スクラップを除く)
RC系資材はセメントが上昇していますが、その他は横ばいです。
建築費指数については先月に引き続き、S造,RC造とも上昇しています。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●セメント バラ 東京
現状維持
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京