建設市況レポート(22年11月)
今月の建設市況と今後の見通し
資機材は高止まり傾向、労務は?
4年に一度のW杯サッカーが始まり、日本代表がドイツ代表に勝つジャイアントキリングを成し遂げ、Jリーグが発足してから約30年、日本代表が着実に成長している実感を得られ嬉しい限りです!
野球やサッカーに続き、ラグビー、卓球、バレーボールなど企業スポーツと言われている分野でもプロ化が進むことで、施設の充実・拡大も求められ、我々の業界にもお声掛けを頂くことが増えてきました。
有難いお話です。
一方、バブル経済崩壊後に縮小し続けてきた建設業界は労働者が離れ、かつ人口減少も相まって人手不足に悩まされており成長している実感が乏しい業界です。
また目立った作業効率UPの手法も見いだせない状況が続いており、加えて働き方改革による労働時間の適正化(減少)により多くの業務量をこなすことが難しくなり、各社対策に追われている状況かと推測します。
その様な状況の中の物価上昇により建設工事費も高騰を繰り返してきましたが、先月に引き続き物価上昇の象徴となっていた鋼材(電炉材)が3ヶ月連続価格の据え置きを行うとの記事がありました。
- 電炉王手:東京製鉄、12月の契約価格全品種据え置き(3ヶ月連続)
- 熱延鋼板:2年5ヶ月振りに2%下落(板状に引き延ばした鋼板)
などの記事が今月の日経新聞に載っていました。
ただ高止まり状態なので総額工事費は安くなってはいません。また最近は上記の記載理由からなのか人手不足の解消方法(作業員の確保)として労務費も高止まりもしくは高騰してきている感があります。建設業界も関係者の給料をUPしていきたいので気持ちは分かりますが、そうすると工事費も上がり他社との競争に勝てなくなる、という図式となるので悩ましい話です。しばらくはこの悩みを背負って働いていくことになると思います。
さて、下記に先月のコスト状況(11月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は先月に引き続き、構造用鋼管が上昇しています。
その他は横ばいです。(スクラップを除く)
RC系資材は横ばいです。
建築費指数について先月に引き続き、S造、RC造とも上昇しています。
(今回もおよそ2Pアップで上がり幅としては大きいです。)
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京