建設市況レポート
建設市況レポート(22年10月)
今月の建設市況と今後の見通し
高止まりの傾向が続く
食品やインフラ関連の物価上昇が続く中、鋼材などの価格が一足早く高騰していた建設資機材が高止まりの状況のようです。
高止まっている価格が過去に経験したことがない金額なので色々と問題があるのですが、一先ず落ち着くことを願いたいです。
例えば
- 電線卸値上昇鈍る(0.9%高)
- 電炉王手:東京製鉄、11月の契約価格全品種据え置き(2ヶ月連続)
などの記事が今月の日経新聞に載っていました。
その様な中、10月27日付けの日経新聞に鋼材の高止まりについて「異例」の言葉を載せた見出しがありました。
そこには「世界経済の減速懸念で4月以降に鋼材価格が下落する中、国内では異例な高止まりを見せている」とあります。
その理由として「高炉の鉄鋼メーカーが生産の絞り込みを行い、数量に頼らない体質への転換を進めている」と述べられていました。
鉄鋼メーカーとしては収益を確保し高炉の設備改修や脱炭素などへの投資に振り向けていかないといけない理由があるようです。
建設業界と鉄鋼業界の生き残り方針は異なりますが、価格の構造改革が適正か否かを判断するのは市場なので、しばらく様子見(我慢比べ)が続きそうです。
さて、下記に先月のコスト状況(10月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は先月に引き続き、構造用鋼管、スクラップが上昇しています。
その他は横ばいです。(異形棒鋼を除く)
RC系資材は横ばいです。
建築費指数についてS造、RC造とも上昇しています。
(およそ2Pアップで上がり幅としては大きいです。)
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●鉄スクラップ H2 東京
現状維持
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京