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山梨県 丹波山村 役場 新庁舎 土地の空気を感じながら、これまでにない新しい「村」をつくる(後編)

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誰も考えたことのない
答えを考える

7月中旬に行われる「祇園祭」では、300年以上の伝統を持つ「ささら獅子舞」が奉納される

地域の再生は人を育てることから始まります

現在、森林、狩猟、温泉の活用は3つの分科会として具体的な事業立案が検討され、他にも小中学校校舎の統合による少子化の実情に適正化した教育ビジョンにも山下PMCは参加しています。すべてに共通するゴールは見いだせたのですか?

高木
それは、村の人たちの「営み」をどれだけ豊かにできるかという視線の先にありました。「豊かさ」は難しい指標です。地方創生を語る際には「雇用の創出」「移住者の促進」と数字で示されることも多い。しかし、地元の伝統や文化と無縁の事業が進められても地域の共感は得られません。村民の方々が、「ここの暮らしはいいねえ」と実感しなければ外から人は来ないでしょう。村からは、さまざまな相談をいただきましたが、村民の今のたたずまいを観察し、その「営み」を豊かにする視点を持った時にすべてはつながりました。「営みを豊かにする」をゴールに掲げることで、3つの分科会は新庁舎と合わせ地域の再生と活性化のための具体化が進んでいます。
  • 現在進行中の村づくり。ワークショップでは、未来の村を担う子どもたちに丹波山村の好きなところをヒアリング。ゴールまでのプロセスを皆で楽しんでいる。
長井
「営み」という意味で、丹波山村役場は、まさにそれをワンストップかつ全職員で受け止めてこられました。この役場だからこそできてきたことを、新しい役場の機能として村民に提供できるレイアウトを考えています。
高木
丹波山村は「小さい村」です。しかしそれは、「住民と役場が近い」「意志決定に全員が参加できる」「少ない子どもに手厚い教育機会が与えられる」など、この村でしかできないことを可能にしています。それを未来につなぐ、誰も見たことがない庁舎が出来上がると確信しています。
村長
山下PMCさんとの協業で職員も刺激を受け、積極的に施策提案がでるようになりました。地域の再生は、人を育てることから始まります。今回のプロジェクトからはすでにそうした効果を実感しています。
  • 「丹波山温泉のめこい湯」。「道の駅たばやま」から吊り橋でつながる村営施設。和風・露天・ローマ風呂、食事処や休憩室を備えている。

プロジェクト概要

発注者・施設所有者・運営者 山梨県丹波山村
所在地 山梨県北都留郡丹波山村890番地
建物用途 村役場
CMr 山下PMC
CM業務期間 2018年9月~現在進行中
山下PMC担当者 高木啓司、長井佐千子、北野隆啓、田中準也、齋藤允喜哉

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・記載されている会社名、商品名は、各社の商標、または登録商標です。なお、本文中では™、®マークは基本的に明記していません。

関連する用途

  • 公共

    2014年6月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が改正され、公共工事においても多様な発注方式の採用が認められたことで、DB(デザインビルド・設計施工一括発注)方式、ECI(施工者が早期に関与)方式などが普及しつつあります。一方で、自治体の技術職員が減少する中で、2020年9月には「地方公共団体におけるピュア型CM方式ガイドライン」が発行され、複雑化・高度化する事業をCM活用により着実に推進する手法が広がりをみせています。また、多くの自治体では高度成長期に建設された施設の老朽化が進み、PRE戦略や公共施設マネジメントの立案・実施も課題となっています。

  • まちづくり/複合施設

    近年「まちづくり」や「複合開発」は一段と複雑化しています。事業主のビジョン・想い、立地、地域課題、マーケットの状況、都市計画の位置付けから納期、予算にいたるまで、諸条件によって大きくプロジェクトのあり方が異なります。通常の建設プロジェクトよりも長期にわたり、10年以上の時間を要することも少なくありません。関係者の数も膨大です。そこで重要となるのが、ブレないコンセプトと変化に柔軟に対応できるスキームの構築。創造力と実現力のある最適なプレイヤーが適切なタイミングで事業に参画することもプロジェクトの成否を左右します。

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