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女川町地方卸売市場 地域経済の要を復興させた最高のチーム

宮城県牡鹿郡の女川町地方卸売市場。町の基幹産業、水産業の拠点復興プロジェクトに山下PMCが参画。当時、公共事業では前例が少なかった「ECI方式」を採用し、メリットを引き出しました。発注・設計・施工者が一致団結することで、目標納期内で先進的・高機能施設が完成。優れたCM事例が表彰される「CM選奨2018」(※)で優秀賞を受賞した本プロジェクトについて紹介します。
*CM推奨・・・一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会が主催。日本におけるCM事例を幅広く募り、優れた効果をあげた事例を表彰する。

女川町地方卸売市場
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施設紹介:女川町地方卸売市場

女川町地方卸売市場は床面積12,500㎡、地上4階建て、S造の水産物卸売市場。震災前から建設が進んでいた開放型の東棟荷さばき場(写真・右側)に引き続き、本プロジェクトでは、管理棟、閉鎖型の中央棟・西棟の整備を行った。

話し手のご紹介

  • 加藤 實さん

    加藤 實さん

    株式会社 女川魚市場
    女川町地方卸売市場
    代表取締役社長
    女川町出身。女川魚市場入社後一貫して市場の競争力向上、ブランド認知に取り組み、震災後は再建に向けた陣頭指揮を執る。2018年6月、代表取締役社長に就任。

  • 佐藤 公信さん

    佐藤 公信さん

    宮城県農林水産部
    全国豊かな海づくり大会
    推進室準備調整班 技術主幹(班長)
    石巻市出身。震災後、宮城県から女川町に出向し、女川魚市場を含む復興事業を推進。現在は、県庁に出向復帰し、水産事業の振興に向けた活動を推進中。

  • 岡野 春彦さん

    岡野 春彦さん

    鹿島建設株式会社
    東北支店
    鹿島建設にて、学校、病院、スタジアムなど幅広い種類の施設建築工事を担当。復興事業では、石巻市水産物地方卸売市場も手がけた。現在は、福島県大熊町新庁舎整備建設工事事務所長を務める。

  • 村田 達志

    村田 達志

    山下PMC
    事業創造推進本部第一部 部長
    山下PMC入社後、中之島フェスティバルタワーや朝日新聞阪神工場、ソフトバンクデータセンター、石巻市地方卸売市場などのPM/CM業務を担当。

  • 品川 哲也

    品川 哲也

    山下PMC
    事業創造推進本部第一部
    プロジェクトマネジャー
    山下PMC入社後、石巻市地方卸売市場、CERI (一般財団法人 化学物質評価研究機構)全国拠点研究施設、いすゞ藤沢事業所新物流センターなどのPM/CM業務を担当。

産業の拠点であり観光客も満足する魚市場の完成

公共工事の様相が変化しています。これまでは、一般競争・入札による価格を基準にした施工者の選定が原則でした。しかし、近年は高度な技術が求められる工事への対応、発注者側の技術・ノウハウ不足、および業務負荷などが課題視されるようになりました。大規模災害後は入札不調も続きましたが、これは“公共事業がもはや単なる価格だけの競争になじまない”ということを表しています。

このような状況を受け、2014年に公共工事に関する法律が改正され、多様な入札契約方式のなかから、事業特性や発注者のニーズに合った方式を選べるようになりました。これにより、DB(デザインビルド)やECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)など、民間事業で取り入れられてきた方式が公共プロジェクトにも広がっています。

本プロジェクトは、当時公共事業ではまだ導入が少なかったECI方式を採用することで、工事を迅速かつ効率的に進めた成功事例です。

東日本大震災で被災し、復興工事が進められていた女川町地方卸売市場(女川魚市場)が全面使用されるようになってから約1年が経過しました。

加藤
漁師さん、事務のスタッフとも、好評です。漁船の誘致も増え、水産業が再び活気づいています。これまでにない、先進的な市場ができたと自負しています。
佐藤
山下PMCさんや鹿島建設さんと一緒に新たに整備したのは管理棟、中央・西の各棟の荷さばき場です。中央棟と西棟の荷さばき場は閉鎖式で、国の高度衛生管理基準を満たしています。作業もしやすくなり、維持管理費も圧縮できました。プロジェクトの初期段階からCMを採用したことで、プロジェクトの方向性が早々に決まりました。また、ECI方式を採用することで、設計段階から施工予定者の技術を採り入れることができ、非常によかったと思います。
岡野
発注、設計、施工……関係者全員が、同じ方向を向いて仕事ができました。ECI方式のメリットを最大限に活かした事業だと感じています。私は実施設計段階から技術協力として参画しましたが、山下PMCさんが間に入ってくれたおかげで、設計者との意思疎通が円滑だったと感じています。
村田
ありがとうございます。ECI方式では、関係者間のコミュニケーション、意思疎通が最大の肝になるので、今回は強く意識して、力を入れて取り組みました。

山下PMCが座長として寄り添ってくれることが心強かった(加藤さん)

佐藤
技術上の不安要素やスケジュールの問題を解決する手段として、ECI方式がいいのではないかと思っていました。しかし、発注者側に高い調整能力が求められるという不安もあります。つまり、発注者自身が設計者と施工者の間に立ち、専門的な内容を理解して意思の疎通をする必要があるのです。石巻魚市場でも経験を積んだ山下PMCさんがCMとして協力し、ECI方式のメリット、リスクを洗い出してくれたことで、採用に踏み切れました。
加藤
当時、ほぼ毎週開かれる会議が楽しみでした。これは今までにない経験です。建築のプロである山下PMCさんが、私たちの側に立ち、座長として関係者を取りまとめ、難しい内容も分かりやすく伝えてくれた。村田さんも品川さんも、現場で働く人の意見を、綿密にリサーチして、設計に反映させていたことを覚えています。
品川
入札場の受付窓の高さひとつとっても、机上の想定と、実際の使いやすさは異なることが分かりました。実際の業務を見て、最適な仕様を岡野さんと相談しながら、設計者に伝えていきました。
  • 女川町地方卸売市場は床面積12,500㎡、地上4階建て、S造の水産物卸売市場。
佐藤
岸壁と荷さばき場が一体化しているから、水産物の陸揚げがしやすいです。
加藤
最初に東棟ができていたのですが、それを活かしながら、再び市場の空間を用途別に分け、一緒に考えました。市場は、人・車両・水産物の動線が重要です。これを建築の専門家と魚市場の利用者、両方の視点から考えて、設計に落とし込んでくれました。
村田
効率的でありながら、衛生的な施設である必要もあります。基本設計段階から、選別、陳列、そして仲買業者の方が魚を消費地に送るために箱に詰める作業を行う場所を区画化しました。
佐藤
これにより、高度衛生管理に適応し、食の安全と安心の確保につながりました。
  • 年間水揚げ量約4トン、水揚げ額約74億円の女川町地方卸売市場の中心部。
  • 自然光を取り込む透明シャッターを採用。晴れた日は照明をつけなくとも明るい。
  • 手洗いと長靴洗浄を行う入室管理室。
  • 高度衛 生管理基準に適応した中央棟荷さばき場。

プロジェクトに関わったマネジャー

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