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森永製菓新社屋「森永芝浦ビル」(中編)

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アイデアの具現化とコストコントロール

2階の共創スペース「Angel Village」。枝下の空間をイメージしている。©株式会社エスエス 島尾望

社員からの提案をできるだけ活かすためにも、"コスト増減表"をいつも参考にしていました

原田
新社屋のコンセプトは、各部署の若手中堅を中心にした十数名のメンバーでワークショップを重ねて、当社の2030ビジョンを基に議論しながら策定しました。それが「MORINAGAのカクハン(攪拌・拡販・拡範)拠点」です。「個と組織のチカラをミックスして価値のタネを創造し、はぐくみ、発信し続けること」を目指しています。
「カクハン」の一つ「攪拌」は製菓用語でもありますが、社内外・地域が交流して新たな体験を試行するキーワードでもあります。
小坂
すべてのワークショップに参加できたわけではないですが、内容については随時共有していました。社員さんの熱いやりとりを見て、その想いをどう反映できるのか、設計者にフィードバックし、どう形にできるか一緒に考えていきました。また、ワークショップだけでなく、引越しやカフェなどのC工事についても、常に情報をキャッチアップし、A工事施工者との調整をしました。
髙橋
私たちが今いる会議室のドアには「ラムネ」の絵が付いていますが、会議室を記号ではなくお菓子の名前にしたり、机のパーティションが『おっとっと』のパズルになっていたりするのは、ワークショップからの提案です。
原田
社内のコミュニケーションの活性化は、以前から課題でした。そこで、オフィスフロアにフリーアドレスを採用すると同時に、社員たちが出会いやすい中央階段を取り入れました。
竹澤
実はウェルネスエリアは、まだ計画途上にあります。2030ビジョンの一つ「体の健康」をテーマに、若手社員からはちょっとした運動ができるエリアが欲しい、という意見があり、ヨガなどができるマットが敷いてあるエリアを設けることになりました。当社には「トレーニングラボ」という「アスリートのトレーニングをサポートする施設」を別の場所で運営しているのですが、せっかくならと、同じ素材のマットを使用しています。今後もさらなる活用方法が議論されていきそうです。
髙橋
私もワークショップの活気、熱気を感じていました。ただ、基本計画はすでに決まっている段階でしたので、これらをどうまとめるのか。山下PMCと施工会社もご苦労されたはずですが、両社の提案力、マネジメント力もあって方向性を定めていくことができたと考えています。
原田
私は人事部勤務が長く、移転プロジェクトメンバーの中では社内に知り合いが多かったので、メンバーの意見調整係のような役目もありました。
笠原
調整にご苦労されていたのは、よく伝わってきましたので、我々はそれをできるだけ実現できるよう、コスト管理など後方からのサポートに努めました。
小坂
設計や工事が始まってからは、私はさまざまな会議中、なるべく皆さんの表情の変化に注目していました。皆さんが不安に感じていると察知したら、コミュニケーションを図り、早めに解決できるよう、心掛けていました。
笠原
設計者や施工者との定例会議後に必ず、森永製菓さんと我々だけの会議も持ちました。一対一の対話で森永製菓さんの本音を伺いながら、その考え方を設計内容へフィードバックしていきました。

資材の高騰もあり、事業費への影響は大きかったのでは?

笠原
プロジェクト開始当初からコロナ禍や海外で戦争が始まるなど、先の見えない状況が続きましたが、結果的には当初計画した予算内に収めることができました。
我々が基本計画段階で行ったのは、事業に必要と想定されるすべての経費を試算することでした。新しいビルの建設や本社移転にかかる費用だけではありません。実際に工事が始まらないと分からない要素、たとえば地中障害物が出たときの撤去費用、土壌汚染があった場合の除去費用等々、我々の過去の実績から想定できるすべての項目をリストアップし、見込んだ費用を積み上げて総事業費、いわば最大公約数的な事業予算書をご提案しました。
髙橋
さまざまなリスクを想定して予算を積み上げておいても、それを超えてしまうのはよくあることです。それが今回、この状況下で予算内に収まったのは、想定経費による予算構築のおかげであると考えています。
笠原
設計・工事段階では、設計変更の提案があればすぐに「コスト増減管理表」にリストアップしてコストの見える化を図りました。「コスト増減管理表」をリアルタイムで更新することで、現在のコストが事業予算に対して、どうなっているのかを森永製菓さんと常に共有しながら進めました。
原田
私たちもワークショップから新たな提案が出てきて、増額コストが発生するというときに、総額が当初の予算内に収まっているかどうかを常に確認できたので、安心して提案の採否を判断することができました。
笠原
設計・工事段階では、設計変更の提案があればすぐに「コスト増減管理表」にリストアップしてコストの見える化を図りました。「コスト増減管理表」をリアルタイムで更新することで、現在のコストが事業予算に対して、どうなっているのかを森永製菓さんと常に共有しながら進めました。
原田
私たちもワークショップから新たな提案が出てきて、増額コストが発生するというときに、総額が当初の予算内に収まっているかどうかを常に確認できたので、安心して提案の採否を判断することができました。
髙橋
項目は相当な数があったと思います。本当に細かなことも詳細に出してくださいました。
小坂
細かいものも含めると、数百に上りました。施工者から提示された増額項目は、与条件の変更なのか、発注条件に含まれているはずのものなのか、一つ一つ検証しました。施工者と確認の協議を実施した上で、増減コストの説明はすべて山下PMCから森永製菓さんへ行いました。
竹澤
施工者から直接私たちに追加提案の見積額が上がってくることもありましたが、そのたびに私は「それは山下PMCのチェック済ですね?」と確認していました。山下PMCが確認済みであれば見積額の適正については安心できると判断し、私たちは仕様の検討に注力すればよかった。これは大変助かりました。
  • 2階「Angel Village」からエントランス方向に面したテラス。1階と2階の間は専用エレベーターと階段があり、イベントスペースとしても活用できる。©株式会社エスエス 島尾望

  • 屋内は明るく、まるでカフェのよう。©株式会社エスエス 島尾望

  • ドアやパーティションにさりげなく施された森永製菓のキャラクター。ワークショップで出た社員のアイデアをもとにしている。©株式会社エスエス 島尾望

関連する用途

  • オフィス

    多くの業界が国内のみならずグローバルな視点をもって事業を推進されているなか、最近はカーボンニュートラルへの対応も考えていく必要に迫られています。自社オフィスにおいては、企業理念を体現するブランディングの実現や、イノベーションの創出を促す空間、web会議が根付いたことへの施設側の対応が求められています。また、テナントオフィスにおいては、採算性の向上や周辺競合施設との差別化を図るブランディングに加え、在宅勤務の増加によるオフィス面積減少の動きへの対応など、新たなオフィスビルの構築が求められています。

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