朝日新聞社(1) 中之島フェスティバルタワー
水都・大阪のランドマークを中之島に
朝日新聞大阪本社、音楽ホール、美術館、商業施設、ラグジュアリーホテル、大規模テナントオフィスがある、中之島フェスティバルタワー。2007年に発足したビッグプロジェクトの背景を紹介します。

施設紹介:中之島フェスティバルタワー
クラシック、オペラ、ポップスまで公演を行うフェスティバルホール(2700席 左写真)、朝日新聞社本社、テナント、オフィス、カンファレンスルームなどがある。震度7でも主要機能を維持する耐震性を誇り、環境性にも優れている。国土交通省の「住宅・建築物省CO2推進モデル事業」に採択された。四ツ橋筋を挟んで隣接する中之島フェスティバルタワー・ウエストには美術館やラグジュアリーホテルなどがある。

話し手のご紹介
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宍道 学さん
株式会社 朝日新聞社
執行役員
不動産担当 兼 不動産業務室長
島根県出身。1985年東京大学法学部卒業、朝日新聞社に入社。大阪、東京編集局などを経て、2007年から「大阪・中之島プロジェクト」に携わる。ほか、全国で600を超える社有物件の開発、管理、運営にあたっている。 -
田中 悦二さん
株式会社 朝日新聞社
経営企画担当補佐
大阪市出身、神戸大学工学部卒。朝日新聞社に入社後は不動産部門で赤坂溜池タワー、阪神工場の開発などに携わる。現在は経営企画部門で不動産系グループ企業の再編を担当。 -
丸山 優子
山下PMC
常務執行役員 CMO
日本女子大卒。建設会社、不動産デベロッパーを経て入社。常務執行役員CMO。 -
村田 達志
山下PMC
事業創造推進本部第一部 部長
京都大学大学院で建築生産学、PM/CMなどの研究に従事。中之島フェスティバルタワーや朝日新聞阪神工場、ソフトバンクデータセンターなどのPMrを担当。
新しい街・大阪の拠点となるランドマーク
築41年の建物は、問題点が山積みでした
- 宍道
- 中之島は朝日新聞創業の地であり、とても大切な場所です。当時は老朽化したビルが3棟あり、土地の将来像を見据えつつ建て替えることが長年の経営課題でした。
- 田中
- ここには印刷工場もあり、それぞれの機能移転も問題でした。
- 丸山
- その11年前、私たちにお声がけいただき、任せていただいたことは、本当にありがたく思います。当時、弊社は今より規模も小さな会社でしたが、なぜ弊社を選んでいただけたのでしょうか。
- 田中
- これだけのビッグプロジェクトをまとめるために、私たちと同じ立場で仕事をしてくれる建築の専門家に力をお借りしたかったのです。まずは設計者の選定からプロジェクトを一緒に歩むプロのパートナーが必要でした。
- 村田
- 私は大阪出身なので、朝日新聞本社と(旧)フェスティバルホールの存在はシンボリックで特別な存在と感じていました。弊社の中でもビッグプロジェクトの経験者を中心に体制を整え「弊社にしかできない」という意気込みで取り組みました。
- 宍道
- 有楽町マリオン(有楽町センタービル・1984年)、朝日新聞東京本社(1979年)を有する私たちにとっても、これほどの規模の建設プロジェクトは初の体験です。準備室を発足し、どのような区分けをし、どのような手順で推進すればより効率的か、建築のプロの目線がなければできません。そこで、プロジェクト発足時、CM各社から提案をいただき、山下PMCの提案内容が私たちが求めるものに一番近かったのです。
- 田中
- それ以前に朝日新聞阪神工場の施工時にCMとして入っていただいて、信頼感もありました。
- 宍道
- 地上約200メートル、敷地面積約8200㎡の建物を2棟建てることと、東棟から着手することは決まっていました。山下PMCとは全体スケジュールを策定し、課題の整理をするところからスタートしました。この最初の整理をきちんとしてくれたことが、2018年のウエストタワーの成功にもつながっていると思います。
中之島フェスティバルタワー(右)と同ウエスト(左)。この、大阪随一のビッグプロジェクトに山下PMCは参画。
関連する用途
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まちづくり/複合施設
近年「まちづくり」や「複合開発」は一段と複雑化しています。事業主のビジョン・想い、立地、地域課題、マーケットの状況、都市計画の位置付けから納期、予算にいたるまで、諸条件によって大きくプロジェクトのあり方が異なります。通常の建設プロジェクトよりも長期にわたり、10年以上の時間を要することも少なくありません。関係者の数も膨大です。そこで重要となるのが、ブレないコンセプトと変化に柔軟に対応できるスキームの構築。創造力と実現力のある最適なプレイヤーが適切なタイミングで事業に参画することもプロジェクトの成否を左右します。
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放送・メディア
ネット配信等の隆盛やユーザー嗜好の細分化・多様化が進み、新聞・雑誌・テレビ等のトラディショナルメディアも変革の時を迎えています。これまでのメディア経営を主力としたビジネスモデルから脱却しようと新しいマネタイズを試みています。大都市で所有している不動産を活用したCREが活性化しているのはその一例です。
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オフィス
多くの業界が国内のみならずグローバルな視点をもって事業を推進されているなか、最近はカーボンニュートラルへの対応も考えていく必要に迫られています。自社オフィスにおいては、企業理念を体現するブランディングの実現や、イノベーションの創出を促す空間、web会議が根付いたことへの施設側の対応が求められています。また、テナントオフィスにおいては、採算性の向上や周辺競合施設との差別化を図るブランディングに加え、在宅勤務の増加によるオフィス面積減少の動きへの対応など、新たなオフィスビルの構築が求められています。
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