プロジェクトストーリー
イオンスタイル碑文谷(後編)
企画・設計・施工・運営準備スタッフが一丸となった
建物は生き物的な部分もあります
――今回のリノベーション工事を振り返っていかがでしたか。
- 森田
- 不動産業界だけでなく、流通業界においても、画期的なケースだったと感じます。日本を代表する総合スーパー(GMS)のひとつであるダイエーの関東第1号店で、かつて全国1位の売り上げも誇った店舗が生まれ変わるというのは、大きな意味があると感じます。
- 松浦
- 私たちにも、イオンスタイルの皆様の意気込みが伝わってきました。皆さん、ダイエー碑文谷店に敬意を払い、非常に力が入っていました。
- 森田
- 衣食住の全般にまつわるいいものを適正価格で提供し、本物志向というコンセプトを、みんなが理解していましたよね。
- 松浦
- それは感じました。だからこそ、永続的に使えるものをつくりたかったんです。
- 森田
- 省エネルギー化についても、磨き上げました。
- 松浦
- 全館統一の空調システムではなく、エリア別に設定変更を可能にしました。そして照明はLEDに切り替え、大幅な省エネルギー化を実現しました。
- 森田
- 今後、どのような使われ方をしても、用途とニーズに合わせて選べるようにしてくださったのは大きいです。
- 松浦
- 今回のリノベーション工事の竣工図書を完全なかたちでお渡しできたことも大きいです。
- 森田
- 今後、何十年か先の改装のときに役立つだけでなく、建物のスペックを書類として残してくださって、さらに、運営会社さんまで引継ぎをしてくださった。そういうソフト部分も山下PMCさんにお願いしてよかったと思います。
- 松浦
- ありがとうございます。
- 森田
- 建物が長生きする要件は、立地と規模、ニーズに合致した用途、構造、設備、そして有効活用されること。そのすべてが満たせたと感じています。
- 松浦
- 建物は生き物的な部分もあります。使っていくうちに、足りない要素を付け足しながら長く使ってほしいです。
- 森田
- 山下PMCさんはデータの根拠に基づく選択肢と判断材料をタイムリーに提供してくださり、私たちの立場も理解してくださった。
- 松浦
- 皆さんと合意をしながら進められたことが大きいです。私たちは、建築においての部分最適解と全体最適解の差異を熟知しています。実績に基づくデータやノウハウを駆使して、今後も仕事を手がけていきたいと考えています。
- 現代的かつ親しみやすい外観を採り入れた。
- 工事途中の建物の内観。躯体以外のすべてをリニューアル。
- 歩いているだけで新たな発見がある店舗設計も魅力。
プロジェクト概要
事業主 | みずほ信託銀行株式会社 |
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不動産信託受益者 | ユナイテッド・アーバン投資法人 |
資産運用会社 (アセット・マネージャー) |
ジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社 |
所在地 | 東京都目黒区 |
建物用途 | 商業施設 |
延床面積 | 約25,800m2 |
規模/構造 | 地下1階・地上7階・塔屋3階/SRC造(一部S造) |
基本・実施設計者・工事監理者 | 前田建設工業株式会社 一級建築士事務所 |
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工事施工者 | 前田建設工業株式会社 |
PM/CM業務期間 | 2014年8月20日~2016年11月30日 |
PMr/CMr | 山下PMC |
■山下PMC担当者
松浦 裕、佐藤 哲之、嘉門 隆史、大橋 昭英、志賀 重貴、吉澤 芙美香
関連する用途
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商業施設
消費嗜好の多様化が加速するなかで、商業施設にはこれまで以上にコンセプトの斬新さや、他施設との差別化が求められています。Eコマースの成長が著しいこの時代には、実店舗ならではのコンセプトメイクも重要です。従来通りの店舗計画が必ずしも最適といえず、商空間はそのあり方自体が常に問い直されているともいえます。適切なマーケット分析・敷地分析をベースに、違いを生み出す施設コンセプトを立案し、適切なMDへと展開していくことの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。