イオンスタイル碑文谷 イオンスタイル碑文谷

PROJECT 12

イオンスタイル碑文谷

新ランドマークリノベーション

PROJECT 12

新ランドマークリノベーション

築41年の古い建物をどう再生させるか

築41年の建物は、問題点が山積みでした

2016年6月に全館リノベーション工事に着手し、テナント入店工事を経て、17年3月に『イオンスタイル碑文谷』として生まれ変わりました。ここでは、この物件(不動産投資信託「REIT」)のアセット・マネージャーであるジャパン・リート・アドバイザーズの森田貴之さん(以下、敬称略)と、CM業務を手がけた山下PMCの松浦 裕がプロジェクトを振り返りました。

森田:
私たちは、投資した不動産を最大限活用させることが仕事です。
松浦:
『ダイエー碑文谷店』は、41年前に建てられた建物だけあって、いたるところで老朽化していました。今だからいえますが、雨漏りもありましたし、効率的な空調・照明設備とは言い難かった。段差も多く、問題点は山積みでした。
森田:
山下PMCの仕事の進め方が新鮮でした。会議の進行、工程を詰めていくこと、関係者との交渉術……。私たちだけでは仕事ができなかったと思います。
松浦:
設計・施工者ほか、複数の関係者が絡みます。まさに〝餅は餅屋〞というところでしょうか。
森田:
建物を短期的にではなく、長期的に使い続けられる商業施設への再構築を図るという目標のベクトルを同じにしてくださった。そもそも、今回は、単なるリニューアルではなく、建物の再生を図り、時代のニーズに合わせて使い続けられるものに変えるという先進的チャレンジの部分も大きかったのです。

年間目標来場者数500万人、新ランドマークに
1975年に「ダイエー碑文谷店」としてオープンした店舗が「イオンスタイル碑文谷」として再生。都市型総合スーパーの新形態を提案。店舗コンセプトは「創・装・奏」。このエリアに増えている子育て世代の働く女性と、シニア世代を中心に、全世代のライフスタイルに合わせた衣食住を提案している。

集客性を上げることも大きな課題

森田:
まず驚いたのは工期のロスがないことでした。
松浦:
場所毎に分けて、同時進行で複数の工事を行っていました。16年6月に全館リノベーション工事に着手し、12月に、1〜4階が先行オープンし、5〜7階は17年の3月末にオープンしています。
森田:
実質的に休業したのは半年間という短期間。これは想定していたよりも、大幅に短かったです。目黒区碑文谷に住む方々も楽しみにしてくださったと聞きました。
松浦:
住民の方のライフスタイルに合わせましたから、私たちもオープンが待ち遠しかった(笑)。
森田:
近隣にお住まいの方のデータを分析すると、高齢者の方と、そして代々住み続けておられる富裕層の方々が多いこと。まず、住民の皆様に気軽に来ていただき、買い物だけでなく、1日をそこで過ごしていただく施設にしたいと考えました。
松浦:
今、こうして振り返ると、様々な問題がありましたね。元ある建物の改装なので、制約条件が多いなかでの計画となります。バリアフリーなどの目に見えるところ以外に、現行の耐震基準値を満たすための耐震補強も実施しました。震災もあり、建物は基準の高いものを求められています。今回の改装の目的のひとつは、建物を長期に保有することです。保守の仕方など時代に即したものに変えていかなくてはなりません。
森田:
予算の管理も私たちだけでは分からないことが多く、とても心強かったです。
松浦:
リノベーション工事は改修範囲の取り決めの判断が難しく、投資対効果のなかで着地点を見出すことを心がけました。
森田:
不動産投資物件という性格上、明確に収益性とのバランスを考えなくてはなりません。それに、使われるテナントさんの利便性、メンテナンスのコストなどについても細かく考えてくださった。
松浦:
皆様とコミュニケーションを重ねながら、何を優先的にするか、徹底的に洗い出しました。毎週のようにミーティングをし、現地に何度も足を運び、現状を把握しながら改修範囲の洗い出しをしました。
森田:
竣工当初の設計図書が完全なかたちで残っていなかったことから、現状確認がすべてでした。
松浦:
設計図面・仕様書・その他の書類(現場説明事項書や構造計算書等)からなる設計図書は、建物を手がける上で重要なもの。それが散逸しているという厳しい条件下でのプロジェクトでした。
森田:
それなのに、短期間で美しい外観と、同じ躯体を使用しているのに、改装前よりも数倍広く感じる内観を仕上げてくださった。
松浦:
古い建物ですから、改装前は天井が低く圧迫感がありました。換気ダクトや、配管・配線の配置を工夫し、天井の高さを上げ、開放感を出しました。
森田:
店舗側からも、天井が高いから陳列のフレキシブル性が出たとの声がありました。
松浦:
とても嬉しいです。建物の工事に入る設計段階から、イオンスタイル側のスタッフの方とも早期に情報共有しました。
森田:
山下PMCさんの提案で、改装後の建物をどう使ったらいいかを、オープンに相互理解できたことは大きいです。
松浦:
コンセプトや今後の商品展開計画などは、人と人が直接話し合わないと共有しにくいと感じています。
森田:
私たちは建物というハードの収益を上げ、用途を広げていくことがミッションでもあります。働く人のオペレーションがよくなければ、お客様も快適に過ごしていただくことができないと思います。そのためのハードとオペレーションの融合の大切さを、この仕事で感じました。

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