これからのスポーツビジネス(2)バディ企画研究所 鈴木 威氏
山下PMCは、イノベーティブな輪を広げるためのイベントを定期的に行っています。今回は、「次世代の価値を創造する」をテーマに、スポーツビジネスの最先端で活躍する、小売・教育・プロ野球球団、各分野の方々に登壇いただき、パネルディスカッションを展開しました。
認可外保育施設だからできること
通常の保育園・幼稚園ではできない多様な体験を提供している「バディスポーツ幼児園」を運営するバディ企画研究所 鈴木 威さんに、人材育成の環境改善とそこから生まれた人材育成の良い循環が生まれたお話をしていただきました。
お金のかからない仕組み
『バディスポーツ幼児園』は認可外保育施設。なぜかというと、柔軟な考え方で施設を有効活用できるからです。昼間は幼児園、午後は幼児・小学生・中学生のクラブ活動、夜は大人の遊び場として開放。一つの施設を様々な用途で使用しているのです。
現在、幼児園は、首都圏8ヵ所にあります。また、最近では、有明にアリーナを新設。でも私は、これらを造るのにほとんど費用をかけていません。たとえば、園舎の上の空中権はマンション業者に販売する、屋上はフットサルやドラマの撮影場として貸し出す、アリーナはカフェや駐車場としてテナント貸しすることで、資金運用ができています。
人材育成による良い循環
いまでこそキャンセル待ち多数となる幼児園となりましたが、認知してもらうまでは大変でした。でも、「どこまでもベストをつくせ」、「はげましあえ、そしておもいやれ」、このコンセプトのもと、長年運営を続けてきたことで、サッカー日本代表・武藤嘉紀選手、マラソンの川内優輝選手等、各界で活躍する人が増え、認知されるようになりました。
そして、卒園した子どもたちはバディスポーツクラブに通い、やがて、大人になって指導者として戻ってきたり、自分の子どもをバディスポーツ幼児園に入園させたりする、といったサイクルが生まれています。
三つ子の魂百まで
よく「三つ子の魂百まで」と言いますが、3歳から6歳という、人間形成の大切な時期に教育に携わる幼稚園教諭・保育士の待遇に問題があるのは、日本の将来にかかわることだと感じています。私が37年前に事業を立ち上げた背景には、そのような環境を改善したいという思いがありました。
戦略的で実行力あふれる取り組み事例「これからのスポーツビジネス」
株式会社バディ企画研究所 代表取締役社長
鈴木 威さん