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イベントレポート

これからのスポーツビジネス(1)クロススポーツマーケティング 中村 考昭氏

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山下PMCは、イノベーティブな輪を広げるためのイベントを定期的に行っています。今回は、「次世代の価値を創造する」をテーマに、スポーツビジネスの最先端で活躍する、小売・教育・プロ野球球団、各分野の方々に登壇いただき、パネルディスカッションを展開しました。

地域との共生、交流人口増大がスポーツビジネス成長の共通キーワード

民間と行政の本格的な連携による多目的アリーナ『FLAT HACHINOHE』の開業予定を発表したクロススポーツマーケティング 中村 考昭さん、入園希望者が後を絶たない大人気スポーツ幼児園を運営するバディ企画研究所 鈴木 威さん、そして、日本のスタジアムの歴史を根底から覆すプロジェクト、北海道日本ハムファイターズ新球場の建設を推進中の北海道ボールパーク 福田 要さん。今回、このような素敵な皆さまによる座組でイベントを開催することができました。

地域スポーツ産業のエンジン化

クロススポーツマーケティング 中村 考昭さんより、地域に根ざしたスポーツの活性化とともに施設の多目的化を進めてきたお話を伺いました。

スポーツの川下から川上へ

ゼビオグループは、スポーツ用品の小売業が本業。我々は、「マラソンをするからシューズを買う」といったように、お客さまのニーズに合わせて商品を販売する、ビジネスでは比較的川下に位置しています。でも、それだけではなく、スポーツビジネスのもっと手前・川上からの取り組みもしていこう、という目的で事業の多角化を進めているのが、クロススポーツマーケティングです。

究極の多目的施設『FLAT HACHINOHE』

2012年、民設共営の多目的スポーツ&エンターテインメントアリーナ『ゼビオアリーナ仙台』を開業。スポーツ施設単体ではなく、複数の商業施設と連携し、地域で共同経営しています。公共ではなく民間が運営することで、徹底的にコストを追求し、稼働率を上げていく、スポーツ産業のエンジン化に向けた実験でした。

そして、この仙台での学びを活かしながら、民間主導で『FLAT HACHINOHE』を建設中です。民間で施設を造り、それを行政に貸し出すことで、行政負担の大幅な削減につなげようとしています。仙台と大きく異なるのは、24時間365日、常時氷を張ったままにしていることです。氷の上に断熱フロアを敷けば、バスケやバレーボール、コンサートもできます。つまり、我々は、施設の究極の多目的化を図りたいと考えたのです。

2020年春、人口23万人の青森県八戸市に、約5千人収容可能な『FLAT HACHINOHE』が誕生予定。民間と行政の本格的な連携による日本初の地域密着型多目的アリーナとして注目を集めている。

足元の需要に目を向ける

日本は地域に根差したスポーツが豊富。八戸は子どもからお年寄りまでスケートが盛んな街です。『FLAT HACHINOHE』は、それを前に出すことで、地元の足元のニーズを高め、全国に広げていこう、という文脈から企画されました。何を造ったらいいのか、ピュアに考えて気づいた結果が『FLAT HACHINOHE』です。

スポーツのシェアリングエコノミー

一方で、箱もの(ハード)からコンテンツ(ソフト)に振り切った例もご紹介します。私たちが運営に携わっている『SPARTAN RACE』という世界最大規模の障害物レースは、スキー場でも、公園でも、河川敷でも、どこでもできます。1回の開催で約5千人の集客が可能で、主催者の収益性、参加者の満足度が高いことも特長です。また、ハードとソフトの投資の折衷案としては、3人制プロバスケットボールリーグ『3×3.EXE PREMIER』があげられます。ここ六本木ヒルズ等、既存のインフラを活用し、コンテンツを投入する仕組みは、スポーツのシェアリングエコノミーのようなものです。

民主導による新しいコンテンツドリブンなスポーツモデル『SPARTAN RACE』。
プロスポーツビジネスの“産業革命化”『3×3.EXE PREMIER』。2019年シーズンは国内外から72チームが参戦。

戦略的で実行力あふれる取り組み事例「これからのスポーツビジネス」

ゼビオホールディングス株式会社 副社長執行役員
クロススポーツマーケティング株式会社 代表取締役社長
中村 考昭さん

中村 考昭さん

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