キオクシア 横浜テクノロジーキャンパス Flagship棟(中編)
移転業務もCMが支援
C工事と移転業務、 運用開始までのご支援は、大きなチャレンジになりました
施設本体のPM/CMに加え、C工事のマネジメントや移転の支援も追加発注されたということでした。
- 岸上
- 特にC工事の部分では、家具什器や設備の配置などと本体建築の設計施工とで、かなり細かな調整が必要でした。
- 小林
- C工事については、山下PMCにメーカーの選定からご参画いただきました。そのため第三者目線で吟味された選定ができまし た。また、そこから計画・実行まで業務を遂行していただきました。
さらに追加で移転業務も依頼した時、岩下さんが「私自身はその領域はあまり経験がないのです」とおっしゃったのを覚えています。山下PMCの業務品質を信頼していましたので、移転項目の洗い出しから一緒に作り込み、業者選定、移転の運用、C工事との段取りを 含め具体化を進めました。非常に助かりました。 - 岩下
- 本当に大きなチャレンジでした。建物の工事のご支援を進行する中で、追加でC工事のご支援もお願いしたいとお声掛けを頂けたのは、ありがたいことでした。
- 岸上
- 2023年5月の連休から竣工後のC工事が始まって、6月末には移転を完了させるという計画でした。2カ月間しかない厳しいスケジュールをやりくりしていただいたことになります。
- 岩下
- C工事の中には、A工事の期間中に着手できるものもありましたので、建設会社さんと調整して前倒しで入れてもらったものもありました。
- 小林
- スケジュールを間に合わせるために、A工事の途中からC工事を入れ込む案は、岩下さんからご提案いただいたものです。ゼネコンさんとの調整は、非常に骨が折れたのではないでしょうか。
- 岸上
- 最終的に関係会社は30社を超えるほどになりました。それからさらにロジスティクスの会社との調整に入っていただくことにな りました。
- 岩下
- 移転計画については、大手ロジスティクスの知恵をお借りしながら計画を立てました。しかし、いざ移転が始まると、ロジスティクス側には工事の状況が分からないので、やはり私たちが中心になって工事と移転ロジスティクスを調整するという形になりました。
- 岸上
- 今日、振り返ってみてもタイトなスケジュールでした。
- 岩下
- 今回は、やってみて初めて分かったことが多かったと思います。また、建物の完成から運用開始までのつなぎの期間も携わることができ、貴重な経験を積むことができたことを感謝しております。
技術者らしい細部へのこだわりにも対応
最先端の技術研究所ならではの難しさや面白さがあったのではないですか?
- 岩下
- 当プロジェクトの肝ともいえる評価室の性能については、勉強になりました。たとえば床の導電性能のチェック。何度も床に電気を流して実測されました。「これでいいだろう」という判断はなくて、すべて実測して、それぞれのメリットとデメリットと並べた上で判断される。非常にロジカルで緻密な印象を受けました。
- 池田
- Flagship棟に入居される技術者の方から、ご意見とご提案を頂きながら工事を進めていきました。現場ではどうしても建築の専門的な言葉が飛び交いますから、技術者の方と工事の設計・施工者の間に入って、時に通訳的な役割も求められました。
- 岩下
- やはり技術者らしいこだわりというか、細部まで徹底する要求というのはありました。
- 池田
- 精密な電気製品を扱っているので、温度、湿度を一定に保たなければならない。これは、なかなか大変なことでした。建屋だけでなく構内全体のインフラを考え、必要に応じてインフラ関係の分科会を開くなど、臨機応変に進めていく工夫も必要でした。
- 小林
- 我々の要求と工事施工側からの要求を、池田さんたちがうまく翻訳してくれました。また、その過程で、我々の要求を満たすた めには今どんな調整が必要か、ということを、明確に示していただいたこともよかったと思います。
- 横浜テクノロジーキャンパスはJR 大船駅から徒歩数分。周辺は緑が多く、横須賀線で鎌倉へは2駅。一方、横浜駅へは電車で15分と、交通の利便性も高い。Photo:株式会社エスエス、島尾 望
プロジェクトに関わったマネジャー
関連する用途
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R&D/生産施設
市場の構図やニーズがめまぐるしい変貌を続けるなか、経営戦略のイノベーションとともに研究開発のあり方を見直す企業が増えています。従来の研究開発施設は、研究開発部門主体で計画・整備・運営されてきましたが、近年の研究開発は、企画段階から運営段階まで、経営戦略を色濃く反映する方向へと転換し始めています。その際にカギを握るのは、経営と直結する「事業(研究開発)戦略」の立案です。経営戦略というトップダウンの判断と、研究開発運営というボトムアップの提案を統合した事業戦略を立ち上げ、それに基づく研究開発施設の構築が求められています。
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