PROJECT 06

ブライズワード 
アルモニーソルーナ表参道(アフターストーリー)

アフターストーリー

ブライダル激戦区に複合施設をビルイン出店

こだわりを実現した光溢れるバンケットやチャペルが好評


施設の運営を始めてみての印象、プロジェクトを振り返っての感想はいかがでしょうか。

秋吉:
私がこのプロジェクトに直接関わったのは、工事が始まってからのことです。進捗状況を把握したときには正直、2015年3月のグランドオープンに間に合わないのでは、と心配になりました。ブライダルでは開業1年前には広告宣伝を始めますから、すでにお客様にご予約もいただいており、プレッシャーは相当なものでした。おそらくPM会社に入ってもらわなければ、納期も含め、われわれのプラン通りには出来上がらなかったと思います。当社としては初の大型商業施設に出店する一大プロジェクトだったわけですが、山下PMCにトータルマネジメントしていただき感謝しています。
澤田:
幸い、お客様からの評判は非常にいいですね。東京都心、しかも原宿・表参道という立地で、これだけ緑に溢れ、光もたっぷりと入るということで、「都心とは思えない」「こんなスポットがあるのか」という感想をいただいています。特に壁と天井の3面に窓があるバンケットルームと地下のチャペルは反響が大きいです。通常なら地下のチャペルは光が入ってこないため嫌われるのですが、横から自然光を入れ、天井も高くしてあるので、地下とは気づかないお客様もいらっしゃいます。われわれのこだわりをそのまま実現していただいたお陰です。

祭壇の照明も、試行錯誤の結果、映画用の特殊なスポットライトを採用し、自然光に近い素晴らしい光の演出ができました。今回、プロジェクトをまとめてもらった山下PMCをはじめ、多くの方がオープンに向け尽力してくれました。私たちは皆さんの想いを糧に、一人でも多くのお客様に最高のサービスとして還元し、ご満足いただけるような空間サービスを提供していきたいと思っています。

株式会社ブライズワードの秋吉宗徳(中央左)、澤田大仁(中央右)
山下ピー・エム・コンサルタンツの深瀬章子(左)、中原貴文(右)(敬称略)

取材を振り返って

このプロジェクトは、二つの大きな特徴を持つ。一つは、商業施設におけるテナントの出店支援であること。PMは通常、ビル事業者によって導入されることが多く、今回のようにテナント出店者から依頼を受けるケースは日本ではまだ少ない。
もう一つは、ブライダル施設がテナントとして商業施設に入居すること。ホテルは別として、ブライダル業界では自社保有施設での事業展開が一般的。本プロジェクトの発注者である株式会社ブライズワードにとっても、テナント出店は初めてのことだった。しかも、ファッショナブルな街として若者に人気の東京原宿に、新たに誕生する大型商業施設の核テナントであり、注目度が高い。

今回の座談会では、「究極のおもてなし」をコンセプトに掲げる発注者の熱い思いが伝わってきた。その実現のために、発注者に代わってビル事業者との調整役を務めたのが山下PMCの担当者たちだ。
ブライダル施設には、特有の与条件がある。例えば、披露宴の開始間際と終了直後に集中する利用者へ対応した動線が必要なことや、新郎新婦が移動する際にプライバシーへの配慮が欠かせないこと、一般の宴会場以上に雰囲気づくりの演出が必要なことなどだ。ビル事業者との調整事項もおのずと多岐にわたる。

完成した「アルモニーソルーナ表参道」は、ウェディングだけでなく一般営業を行うレストランも併設している。結婚式は一度きりでも、ゲストを含めレストランを目的としてリピートする可能性は高い。また、魅力的なテナントが誕生したことで、施設全体の集客力を高める効果も期待できる。
PMがテナント出店者とビル事業者の複雑な権利関係を整理することでこうした価値を創出できれば、双方へ貢献することになるだろう。

三上美絵(取材:2015年7月17日)

TEXT:三上 美絵
PHOTO:増田 智泰