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医療法人社団恵生会 上白根病院 概要

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プロジェクト概要高齢者への対応に力を注ぐ、地域拠点病院の増・改修

既存棟と増築棟を同時に大臣認定を取得し、一体的に計画する

横浜市旭区の駅からやや離れた住宅地にある、150床の急性期病院の増・改修計画だ。本プロジェクトは東日本大震災後に本格的に始まったもので、十分な耐震性能とBCP対応強化が求められた。災害時にも必要な医療サービスを提供するためには、増築部分を免震構造とすることが望ましい。だが増築棟の床面積は、既存棟の1/2以上のため、当時の規定では築30年のRC造の既存棟も、現行法に適合させる必要があった。遡及適用しての改修はあまりに大がかり、かといって20年後に最新の建築基準法への適合を要する全体計画認定制度の活用も現実的ではない。そんな厳しい条件の中で十分な耐震性、機能性を確保した建物を、法的な制限をクリアしながら、適切なコストで実現することが求められた。

こうした課題を解決するために山下PMCは、免震の増築棟と既存棟とを同時に大臣認定を受けることでそれらを一体的に計画するソリューションを提供した。その上で、建設会社からの更なる技術提案に期待すべく、設計・施工一括の性能発注方式を採用した。選定された提案は、増築棟は免震構造、既存棟は耐震補強のみでIs値0.7以上の高い耐震性能を実現するものだ。計画面では増築棟と既存棟がシームレスにつながる機能的な動線計画や、患者の居住性や心理面の影響に配慮した、明るくやわらかいデザインが特徴だ。また既存棟にあった施設の中で、手術室や画像診断等の重要機能は災害時にも活用できるよう免震の増築棟に移した。この計画は重要機能をおさめたエリアなどに場所を絞った、合理的なBCP対応強化の実現にもつながった。

増・改築のプロセスで課題となったのが、運営をしながらスムーズに工事を進めることだった。わずかな振動や騒音が機材や患者の健康などに影響を及ぼしかねない。そんな厳しい制約条件を踏まえ、設計段階から施工者が参加し現実的な施工計画を検討。どの手術室がいつ使えなくなるのか、入院患者にいつ移動をしてもらうかなど、利用者への影響を最小にする段取りを行った。地域の高齢者のニーズに応え、有事の際にも十分なサービスを提供するという、発注者が描くビジョンを実現するために、高度な技術的貢献から細やかな計画、工程管理まで、関係者すべてが持つ多元的なスキームが注ぎ込まれたプロジェクトだ。
  • 増築棟の1、2階吹き抜け。
  • 改修棟(奥)と増築棟(手前)のジョイント部分。2棟がシームレスにつながる。
  • 道路側からの外観。増築棟のデザイン性を高めたことで、中原街道からの視認性も向上した。
  • 増築棟1階に設けられた受付。ホテルのレセプションを思わせる雰囲気。
  • 増築棟1階のエントランスホール。
  • 増築棟と既存棟の連結部。シームレスに連続させている。

プロジェクト概要

事業主 医療法人社団 恵生会
所在地 神奈川県横浜市
建物用途 病院
延床面積 約10,700m2
規模・構造 地上5階、地下1階/RC造
基本・実施設計者・
工事監理者
清水建設株式会社一級建築士事務所
工事施工者 清水建設株式会社
CM業務期間 2011年6月~2014年5月
CMr 山下PMC

■山下PMC担当者
丸山優子、渋谷宣隆、関根雄二郎、石岡紀夫、高橋純信、高橋朋絵

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関連する用途

  • 医療・健康施設

    医療施設の整備には、経営・運営・施設の視点を統合した計画立案が欠かせません。しかし、診療報酬制度の制約を受ける経営、多数の専門職が関わる運営、24時間365日止められない施設において、全体を見渡し最適な計画案を見出すとともに、関係する専門職の納得感を得ながらプロジェクト推進を行うことは容易ではありません。3つの視点を横断的に俯瞰し、複数の分野・部門にまたがる関係者の合意形成を実践できるプロジェクトマネジャーが求められてます。

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