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ソフトバンクモバイル新ネットワークセンター アフターストーリー

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アフターストーリーイメージをリアルに描出する力

安田
設備というのは、だいたい15年で更新していく宿命がありますが、このネットワークセンターはその程度の年月で陳腐化するようなものであってほしくない。今考え得る最先端の機能を備え、災害時を含めた高い信頼性と、将来を見据えフレキシビリティを持たせたトップレベルの事業所にしたい――。そんな思いでプロジェクトに臨みました。山下PMCはじめ関係者全員が、われわれの目指す高みを共有してくれたと思います。
感じたのは、最初の段階で知恵を注ぎ込んでプランを練り上げる大切さですね。山下PMCにはそこに相当注力していただきました。着工後も月2回は巡視に入り、現場で指摘と改善を主導してくれた。そこは我々にできることではないし、山下PMCで良かったとつくづく思っています。
鈴木
振り返ってみると、全体にチームワークが非常によく、また役割分担がしっかり決められていたこともあってスムーズに進んだプロジェクトでした。発注者として助かったのは、我々の「こうしたい」という抽象的な意向を前段階で正しく汲んでもらって、具体的なイメージを示してもらえたことです。それぞれのプランの良い点、リスクのある点をきちんと説明してくれ、「こういうパターンもある」とアイディアを例示していただけたので、社内に対しても説得力をもって伝えることができました。コストに関しても「PM会社が言うのだから」とゼネコンやメーカーの方もすんなり納得してもらえたので、たいへん助かりました。フォローがあったからこそ完遂できたプロジェクトだと思います。
  • ソフトバンクモバイル株式会社の鈴木貴雄(中央左)、安田明弘(中央右)山下ピー・エム・コンサルタンツの野村康典(左)、村田達志(右)(敬称略)
    ソフトバンクモバイル株式会社の鈴木貴雄(中央左)、安田明弘(中央右)
    山下ピー・エム・コンサルタンツの野村康典(左)、村田達志(右)(敬称略)

取材を振り返って
このプロジェクトを取材した感想をまとめると「段取りが良い」のひと言に尽きる。
建設業界では昔から「段取り八分」という言葉をよく使う。「段取り」とは歌舞伎の楽屋用語で、段(一幕、話の区切り)を取る、すなわち芝居の構成を組み立てることを指した。ここから、仕事の手順を決めることや、心構えをすることを意味するようになったらしい。「手はずが整えば、仕事はほぼ完了したも同然」というのが、段取り八分の言わんとするところだ。今では建設業に限らず、さまざまなビジネスの場で使われている。しかし、この言葉がこれほど各所で繰り返して説かれること自体、「きちんと段取りをつけることがいかに難しいか」を表しているようにも思える。

段取りの難しさは、不確定要素の多さに起因する。決まっていないことだらけの状態で漫然と全体を考えても、計画倒れになりかねないからだ。このプロジェクトでは最初に、初期段階で決めるべきことと、進行してから決めた方がメリットのあることを明確に分けた。つまり、不確定要素である「設備」を分離して考えることを決めたのである。その上で、全フェーズを通じた発注戦略を構築した。設計と施工を一括にするか、分離するか。発注区分はどうするか。請負契約の形式は――。
並行して、発注者と共に建物の基本的な条件を漏らさず決めた。プロポーザルの提案時点からすでに企画に5カ月間、設計(施工)者の選定に3カ月を見込んでいる。他社提案と比較して、その期間の長さに発注者が驚いたほどだ。決して工程にゆとりはなかったが、だからこそ「急がば回れ」。この期間にじっくり検討して決めきった内容が、ほぼそのとおりに進行したという。八分どころか、「段取り9.8分」といったところだろうか。豊富なPMの経験から、計画の重要性を熟知した山下PMCならではの方法論だ。
三上美絵(取材:2015年2月23日)

TEXT:三上 美絵
PHOTO:楠瀬 友将

関連する用途

  • データセンター

    昨今、クラウドプラットフォームの増加やデジタルサービスの拡大などによりIT需要が急拡大しています。IT技術の進化はとても速く、その進化スピードに対応した設備機器の入れ替えや需要に合わせたサーバーの段階的な設置など、将来のメンテナビリティ、フレキシビリティを十二分に確保しておくことが事業性の観点からデータセンターには求められています。同時にBCP(事業継続計画)に対応し、非常時にもダウンすることのないインフィル・インフラ計画とするといった施設計画も、信頼性の観点から重要です。加えて、「脱炭素社会」を背景とする電力消費量の抑制のため、エネルギー効率〈PUE〉を低減することも主要な課題となっています。

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