建設市況レポート(22年8月)
今月の建設市況と今後の見通し
混沌としてきた市況は下落の前触れ? それとも……
7月末の日経新聞の記事になりますが、「非鉄・石油が押し下がり日経42種が2年3ヶ月ぶりに前月を下回った」との記事がありました。
主因は非鉄金属(銅・アルミなど)や石油製品の値下がりで、中国のゼロコロナ政策や米欧の金融引き締めに市場が反応したことが一つの要因です。
一方、鋼材はステンレス鋼板などが前月から2%UPしました。
世界は中国・米欧の動きにより下げ傾向の気配があるようですが、日本では素材高やエネルギー高を背景に企業が相次いで製品値上げを打ち出しており、世界景気の減速で商品市況の下げ基調が強まると、上げたいのに上げられない辛い時期が訪れるかもしれませんね。
また、8月23日の日経新聞では「鋼材用レアメタル軟調」と「鋼材価格、9月から一部下げ(東京製鉄、2年5ヶ月ぶり)」という記事もありました。
レアメタルは半導体不足による自動車関連の生産の落ち込みにより、鋼材に添加して強度を高めるレアメタルが軟調とのことです。
鋼材は海外市況の悪化が主因のようです。
しかし、その下落幅は小さく、異形鉄筋棒は5%程度下がりますがH形鋼は据え置きのようなので、建設市況への影響は小さいと思いますが、注視していきたいと思います。
さて、下記に先月のコスト状況(8月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は構造用鋼管が上昇していますが、その他は横ばいです。(スクラップを除く)
RC系資材は生コンクリートが上昇傾向に転じています。
2.都市間格差の傾向
当社が参考にしていた「建設工業経営研究会」によるコストデータが廃刊となり、お伝えすることができません。
非常に残念ですが、現在新しい切り口での記事を検討しています。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京