建設市況レポート(22年6月)
今月の建設市況と今後の見通し
設備投資の回復と建設業界
日経新聞(6月21日付)に「設備投資回復(前年度実績比25%増)」という見出しが掲載されていました。
2021年度に積み残した投資を挽回する動きであり、脱炭素などへの投資が目立つが、部材の供給制約が長引くと下振れする可能性もある、とのことでした。
弊社事ではありますが、確かに今年初めから生産施設系の用途のお引き合いが増えてきており対応に追われています。
ゼネコンやサブコンも同様の状況のようで、お声を掛けて頂く嬉しさと現場の人手不足問題の狭間に頭を悩ませています。
この人手不足の問題は全業種同様だと思われるので、早く解決策を見出せるように会社の枠を超えて協力し合う姿勢が必要ではないかと思います。
資機材の価格状況ですが、相変わらず高騰が続いている中、円安も加わり国内では様々な要素により価格が揺れているようです。
建設関連では、電炉大手の東京製鉄が7月分の価格を6月分から据え置くと発表しました。
ただ電気料金や合金鉄などの価格上昇や円安の進行で調達コストが膨らんでいるので、今後も予断は許さない状況と言えます。
何時まで維持できるか分かりませんが、一旦足が止まり個人的には良かったと思います。
さて、下記に先月のコスト状況(6月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は一部を除き、先月に続き、上昇しています。
RC系資材は合板が上昇傾向に転じています。
建築費指数についてS造、RC造とも先月に引き続き、上昇傾向です。
2.都市間格差の傾向
今回はRC造の集合住宅、病院、学校をピックアップしています。
大きな変化は見られません。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
RC造 集合住宅の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 病院の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 学校の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京