建設市況レポート(22年4月)
今月の建設市況と今後の見通し
止まらない値上げ
ここ数ヶ月、コピー&ペーストをしているかのように値上げの話を記載していますが、凝りもせず今月も皆さんにお伝えします。
先月も高騰していた異形棒鋼の価格が13年半ぶりに最高値を更新したようです。
コンクリートの中に組まれているので一般の方々が目に触れる機会は少ないと思いますが、コンクリートや鉄骨と並んで大切な鉄筋の高騰はダメージが大きいですね。
また建設会社で3%賃上げの動きが広がりつつあるようです。
公共工事入札で4月から賃上げ企業が優遇される政策(4月3日付け日経新聞)の影響が大きく、民間工事の受注に転嫁できるかは不透明ですが、企業として取り組むべき課題である一方、他社との競争力の低下につながり兼ねない厳しい選択を迫られていると感じています。
どこをみても「値上げ」「高騰」の文字が目につきますが、目線を変えると「増益」「上方修正」の文字もチラホラとお見受けするので、悪い方向ばかりではないようですね。
さて、下記に先月のコスト状況(3月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は上昇傾向に転じました。特に異形棒鋼、スクラップが顕著です。
RC系資材は横ばいです。
建築費指数について今月は横ばいです。
2.都市間格差の傾向
今回はS造の工場、物流、倉庫をピックアップしています。
東京を100とした場合、広島の上昇率が大きく、北海道、名古屋の下降率が大きいのが特徴的です。
低い傾向(90以下)にあるのは変わらずどの用途も「金沢、新潟、高松」の3都市です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
現状維持
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●鉄スクラップ H2 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
現状維持
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
現状維持
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
S造 工場の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
S造 物流の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
S造 倉庫の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京