建設市況レポート(22年3月)
今月の建設市況と今後の見通し
再び値上げ傾向
コロナの影響による製品の納期遅れや物流の混乱に加え、ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻から1ヶ月となり落ち着かない日々が続いています。
いくつかの要因からエネルギーインフラにも影響が出ており、残念ながら値上げ傾向が再び加速しそうな気配です。
3月1日の日経新聞に「日経商品指数42種」の取引価格の状況が掲示されており、原油や金属などの資源価格が8ヶ月連続で高騰し、非鉄(アルミニウムやすずなど)では最高値が更新されたようです。
以下、3月の日経新聞で個人的に見つけた価格上昇記事です。
- 鉄筋用棒鋼:13年ぶり高値(鉄スクラップの高騰)
- 亜鉛:15年ぶり高値(電力高)
- パラジウム・銅・アルミ:最高値
- ステンレス鋼板:4%値上げ
- 住宅木材:米で16%UP
- H形鋼:追加値上げ(3月から7千円/トン)
- 鋼管:値上げ(4月から2万円/トン)
などの記事が掲載されていました。
ウクライナへ軍事侵攻が起こる前の頃は落ち着くかもしれない、と密かに思っていたのですが、下降どころか上昇に転じてしまい発注者にとっても施工者にとっても厳しい時期が続きそうです。
さて、下記に先月のコスト状況(3月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は先月に引き続き、横ばいです。(4ヶ月連続)
RC系資材は合板が上昇傾向です。
建築費指数について今月は微増ですが、S造、RC造とも先月に引き続き、上昇傾向です。
2.都市間格差の傾向
今回はRC造の集合住宅、病院、学校をピックアップしています。
大きな変化は見られません。
※建設工業経営研究会が2022年4月春号で廃刊とのことです。
「2.都市間格差の傾向」は当該資料からの引用となるため、更新もそれに準じる形となります。
宜しくお願い致します。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●鉄スクラップ H2 東京
現状維持
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
RC造 集合住宅の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 病院の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 学校の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京