建設市況レポート(21年12月)
今月の建設市況と今後の見通し
先が見えない建設市況
12月初旬に日経新聞に主要30業種の天気図(景気予測)が掲載されていました。
記事によると、アミューズメントやネットサービス、広告、産業・工作機械、情報などの業種の景気は良さそうですが、建設、電力、自動車、医薬、食品、外食、アパレルなどの衣食住に関わる業界は雨マーク(不景気)になっていました。
実際、建設に携わっている我々の状況は資機材の高騰もあり、決して良い状況とは言えません。
ゼネコンも売上はそこそこ上がっていますが、利益は上がらず、一昔前の薄利多売の状況に戻りつつあると感じています。
建設工事費全般のデータ(S造)では、1年前と比べて7~8%の上昇といったところです。
また直近数カ月では資機材の調達が思うようにいかないプロジェクトも散見されるようになってきました。
半導体をはじめとする様々な部品がコロナの影響もあって予定通りに届かず、スケジュールを圧迫しているように思います。
ゼネコンの方をはじめ、建設業界全体でフォローしていかないとお客さまにご迷惑を掛けてしまいかねないので、気を引き締めていきたいと思います。
さて、下記に先月のコスト状況(12月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は先月まで上昇傾向でしたが、今月は横ばいです。
ただし、グラフにはない構造用管、大型角型鋼管、デッキプレートに上昇傾向がみられます。
RC系資材は合板が上昇傾向ですが、その他の主要資材は先月に引き続き、横ばいです。
建築費指数はS造、RC造とも先月に引き続き、上昇傾向です。
2.都市間格差の傾向
今回はRC造の集合住宅、病院、学校をピックアップしています。
大きな変化は見られません。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●鉄スクラップ H2 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
現状維持
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
- ●セメント バラ 東京
RC造 集合住宅の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 病院の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 学校の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京