建設市況レポート(21年11月)
今月の建設市況と今後の見通し
日常は戻ってきても…
「数カ月前の通勤は快適だった」。
やや不謹慎なことを考えながら、朝夕の満員電車に揺られ、日常の緩やかな回復を感じています。
人流≒経済の動きが連動しているためか、資機材の高騰が続いています。
しかしながら、鉄骨関連は未だに上昇していても、上昇率は落ち着いてきたように感じています。
このまま下降すると良いのですが、石油価格が凄まじい勢いで高騰しており、下落には至っていないのが現状のようです。
銅など高騰し続けている非鉄金属は、来年には供給過剰になり、価格が落ち着くだろう、という記事が日経新聞に出ていました。
にもかかわらず、11月25日の日経新聞には、「銅の取引価格2%程度UP」と小さく記事がありました。
コロナ感染者数が減って日常が戻ってきても、日常品を含めた価格上昇は投資に対して精神的なブレーキを掛けてしまうのは困ったものです。
さて、下記に先月のコスト状況(11月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は先月に引き続き、上昇傾向です。
RC系資材は先月に引き続き、横ばいです。
建築費指数はS造、RC造とも先月に引き続き、上昇傾向です。
2.都市間格差の傾向
今回はS造のオフィス、ホテル、店舗をピックアップしています。
東京を基準とした場合、どの用途も広島が特に上昇率が高い傾向にあります。
低い傾向(90以下)にあるのはこれまでと変わらずどの用途も「金沢、新潟、高松」の3都市です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2011年比/ それ以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●鉄スクラップ H2 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
現状維持
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2011年比/ 上記以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
- ●セメント バラ 東京
S造 オフィスの建築費都市間格差指数の推移
出典:建設工業経営研究会
2015年比
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
S造 ホテルの建築費都市間格差指数の推移
出典:建設工業経営研究会
2015年比
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
S造 店舗の建築費都市間格差指数の推移
出典:建設工業経営研究会
2015年比
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
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