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文教大学 東京あだちキャンパス(後編)

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大学に必須のものは何か?ぶれない軸を共有する

教育研究棟のコモンズエリア、中庭が見渡せる大空間は、ひと続きの天上と連続する柱や梁(はり)、 ガラス張りの壁で構成。少人数・大人数、リラックス・集中、用途や気分に応じて使い分けできるスペースが設けられ、学生、教員との交流が自然に生まれる仕掛けになっている。

「大学は変わって行く」という高揚感、意識改革が始まったことを実感します

開設まで、山下PMCさんとは一緒に汗をかいてきたと実感しています。FFE(什器や備品)では、何度も一緒にメーカーに足を運んでもらい、コンビニや食堂関連の関係会社さんとの打合せにも同席していただき、大変助かりました。
本田
実施設計で予算が大きく上振れしたときも、JVをよくまとめていただき、必要なものを諦めず、当初の思いを抑えることなく、思い描いたキャンパスを実現することができました。
三岡
予算のオーバーに対しては、技術と提案でカバーできる要素を検証しました。図面の中で「マスト」な部分と「提案可能」な部分を切り分けました。
渡辺
計画にメリハリをつけることで、予算決定面でも早い判断をしていただくことができました。そこで明確になった軸が、学生たちの使い勝手や安全性です。設計者や施工者にもその軸の認識が統一されていくことで、施設全体がうまくまとまりました。
本田
特にこだわったのがラーニングコモンズです。図書館の利活用を促す施設づくりとして、多くの大学が採り入れています。今の大学では、単位の習得には授業の出席回数だけではなく、その前後の能動的な学習も必要です。魅力的で使い勝手の良いラーニングコモンズは、学生の滞在時間を延ばし、学修効果に加え、キャンパスの活性化につながると考えていました。山下PMCさんともいろいろな大学を見学し、現在の通路に面したスタイルを採用しました。講義室、研究室、そして、ラーニングコモンズが回遊型の通路で連結している。そこで誰かに出会い、会話が生まれる。そうした環境が実現しています。
三岡
ラーニングコモンズに関しては、プロジェクトの中でも時間をかけました。施工中に消費税が上がるタイミングもあり、FFEは搬入・調達から逆算して、必要な時期より大幅に前倒して準備しました。これにより、デザインや開設後に使われるための仕掛けなど十分な検討時間ができました。

開設後の印象についてお聞かせください。

本田
「フェンスレスキャンパス」の効果を日々実感しています。コロナ禍を経て、対面の授業へと移りました。学生たちは、キャンパスを行き来する地域の高齢者や小さな子どもを連れた家族を日々目にします。周囲には「社会」が当たり前のように存在し、日々の勉強がそこに結び付く。大きな刺激となっています。図書館やカフェもよく利用されています。実は、学生と同じくらい学食を利用してくれている地域住民の方もいるようです。先日は、地域の信用金庫とマルシェを開催したところ3,000人が来場しました。また、鉄道会社主催のハイキングイベントでは、中庭をゴールに設定。1,200人が参加しています。学生たちも地域社会との関わりに積極的で、学生が主体になった子ども食堂を実施し、お弁当の配布を行っています。

新キャンパスが文教大学全体に与える影響は?

本田
教員の見学会を行うと「大学は変わって行く」という高揚感、意識改革が始まったことを実感します。3キャンパス連携の拠点となることを期待しています。本学では「生涯学習センター」を改組し、名称を「地域連携センター」としました。足立区とも連携した取り組みをしています。キャンパスを通る小さなお子さんが、親ごさんに「大学って何をするところ?」「大きくなったら大学に行きたい!」と会話をしている姿を見ると、とてもうれしいですね。
  • 足立成和信用金庫、地域自治会で組織された実行委員会により、草加市も含む地域の交流促進・地域経済の活性化を目的にした「はなはた文教マルシェ」が開催された。
  • 東武鉄道・足立区・大学との産官学連携企画として、健康増進を目的とする「東武健康ハイキング」を国際学部の学生がプロデュースした。
  • 図書館の3階は学習に集中するフロア。内装もシックにデザインされている。
  • 図書館の2階は書籍や雑誌を手に取り、学生が情報をシェアできるフロア。


プロジェクト概要

発注者・所有者・運営者 学校法人文教大学学園
所在地 東京都足立区花畑5-6-1
用途 大学
面積 敷地面積:48,851.95㎡
建築面積:10,626.13㎡(I期)
延床面積:25,173.21㎡(I期)
規模/構造 地上5階・塔屋1階/RC造・S造
基本設計 株式会社日本設計
実施設計 株式会社日本設計・戸田建設株式会社JV
施工 戸田建設株式会社
FFE 株式会社内田洋行、パワープレイス株式会社
PMR/CMR 山下PMC
PM/CM業務期間 2016年8月~2021年1月
山下PMC担当者 木下雅幸、鴨下 清、三岡裕和、佐藤誠一、渡辺啓太、山添康彦、渡辺和夫、加藤昌一、志賀重貴、炭山数文

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プロジェクトに関わったマネジャー

関連する用途

  • 教育/文化/アート

    少子化が加速する社会において、学校づくりも新たな局面を迎えています。老朽化の進む学校施設を、品質などの標準化を図りながら整備したり、場合によっては民間からの活力を導入する仕組みや、施設の統廃合を視野に入れた検討も行わなければなりません。私立学校では学生獲得戦略に基づいた、ブランディングや魅力ある施設づくりも重要です。また文化・アート施設では、多様化する社会のニーズに応えるため観賞を主眼に置いた施設から体験型、食事や買い物も楽しめる複合型やリアルとバーチャルの融合への対応など、施設の役割・機能の転換が進みつつあります。

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