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文教大学 東京あだちキャンパス(中編)

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地域を巻き込んで開設気運を醸成する

大学は学生や社会にどうあるべきかを一緒に考えました

足立区の他にも、用地北側を流れる毛長川は東京都の管理、その対岸が埼玉県草加市ですが、三つの行政との調整は大変でしたか?

本田
本学が、他の都心回帰で生まれたキャンパスと異なる点は、まちづくりと一体化したキャンパスづくりであることです。足立区とUR都市機構による「花畑団地周辺地区まちづくり協議会」が2010年に発足。実は、本学の誘致の発端には、協議会に参加する住民の方々からの要望もあったそうです。山下PMCさんは、地域振興を視野に入れた施設づくり、行政との調整に豊富な経験がある。その調整力にも期待しました。
渡辺
足立区からは、フェンスのない開かれたキャンパスという要望があり、これは大学側の希望でもありました。「フェンスレスキャンパス」実現のためには、駅から徒歩の通学ルートや地域の人びととの動線としての使い勝手、さらにはバスロータリーとの関係など、さまざまな視点での検討が必要です。さらに隣接する河川の安全性、開放されたキャンパスのセキュリティなど、検討の中で確認していきました。
キャンパス全体のランドスケープや足立区による毛長川への人道橋と親水公園整備など、大学と地域をつなぐ環境の向上につながる計画も実施できました。
佐藤
キャンパスというハードづくりを進めながら、セキュリティを高めるソフト面も検討することで、施設と警備運営の両面から安心安全な開放が可能な「フェンスレスキャンパス」を実現しました。
本田
本学では、学食やカフェなど厚生施設や図書館も地域の方に開放しています。山下PMCさんには、地域の説明会や「まちづくり協議会」にも出席してもらいました。開設への期待や気運を地域で醸成してきたことが、開学後のスムーズな地域一体化につながっていると思います。
  • 東京ドーム4個分に相当する約21ha の花畑団地の再生事業が進行中。文教大学東京あだちキャンパスは、西側の旧団地2つの街区及び道路(廃道)の敷地を使って建設された(図左)。校舎が回遊廊下で連結された新キャンパスの全体像。正門横にはバスロータリーもあり、通学に便利な立地となっている(図右)。
  • 【エコキャンパスの実現】
    ZEB(ゼブ:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)は快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物です。東京あだちキャンパスでは、先進的な環境配慮型キャンパスを実現。棟全体を統括的に捉え、CO₂ 濃度を制御した外気導入、人感センサーによる空調・照明制御、自然換気・自然採光の有効活用などにより、一次消費エネルギーを省エネ基準から52%削減する「ZEB Ready」を達成。これにより、昨今の燃料費高騰のなかでも、光熱費を抑制し大学収支の向上に寄与しています。山下PMCは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業の採択において、発注区分の調整やスケジュールマネジメントを行うことで、補助金獲得とエコキャンパスの実現に貢献しています。

プロジェクトに関わったマネジャー

関連する用途

  • 教育/文化/アート

    少子化が加速する社会において、学校づくりも新たな局面を迎えています。老朽化の進む学校施設を、品質などの標準化を図りながら整備したり、場合によっては民間からの活力を導入する仕組みや、施設の統廃合を視野に入れた検討も行わなければなりません。私立学校では学生獲得戦略に基づいた、ブランディングや魅力ある施設づくりも重要です。また文化・アート施設では、多様化する社会のニーズに応えるため観賞を主眼に置いた施設から体験型、食事や買い物も楽しめる複合型やリアルとバーチャルの融合への対応など、施設の役割・機能の転換が進みつつあります。

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