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京都悠洛ホテル 二条城別邸Mギャラリー プロフェッショナルたちの視点が重なる時(後編)

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全員の力が結実する「現場の力」

25室の客室(うち5室はバルコニー付)は全室40㎡以上。すべて庭園に面している。
写真:ナカサアンドパートナーズ 中道淳

このチームならホテルの価値は上がる。
そう確信しました。


お客様からは、どのような要望を受けたのですか?

佐藤
お客さまがPM/CMに求めたものは、コスト、スケジュールの厳守はもちろん、「ブランドに相応しい」「競合に勝てる」ホテルづくりでした。お客さま自身にもデザイン面のこだわりもありました。計画当時、京都ではいくつものラグジュアリーホテルの開業が予定されていました。そのようななか、この案件は25室のコンパクトな規模で、ものづくりにこだわりのある建築家やデザイナーに参画いただき、特色のあるホテルをつくりたいと考えました。設計者やデザイナーの選定には、オーナーやホテルオペレーターとの相性も考慮し、協議を重ねて時間をかけました。

設計施工の担当に大成建設さんが選定されたのもチームづくりの一環ですか?

佐藤
著名な先生方のチームで基本設計を進めていましたので、それを受けた実施設計者・施工者も、四先生の作品を高品質に実現できるスーパーゼネコンが相応しいと考えました。これまで様々なホテルづくりを経験してきましたが、このチームであれば高いクオリティが実現できる、そう確信しました。

チームとして参加した率直な感想をお聞かせください。

高岩
私は実施設計の担当者として、施主さま、山下PMCさん、ホテルオペレーター、そして諸先生方の思いを受け止めつつ、現場に貼り付いて幾多のスケッチを描くことで、アイデア、イメージから「設計図」に落とし込み、現場との意志疎通に努めるのが役目。そこで感じたのは皆さんの思いの強さです。互いに「もっとこうしては」のやりとりによるアップデートが何度もあり、それでいて芯はブレず、共有された分だけ思いも高まっていく。現場との調整は大変でしたが、全員の思いが結実した施設が出来上がりました。
山地
各先生の思いを釘の1本にまで反映してこそ、利用されるお客さまに感動 を与える建物にできる。施工現場の責任者として、プレッシャーも感じましたが、チーム全体として現場との調整に理解をいただき、柔軟な対応や最適解に導いてくださるなど、プロジェクトを進める上で多くの協力を得られました。

チームだからこそ乗り越えられた場面はありましたか?

佐藤
施工途中でホテルオペレーターから、大きなデザイン変更の指示が入りました。
高岩
工期の厳守が頭を巡りながら、実は、新しいデザインに対する期待も感じていました。実際、諸先生方とホテルオペレーターのデザイン担当者とのやりとりはすごい追い上げでした。2日、1日というスパンで仕上がっていく。その勢いで実施設計の修正も間に合いました。
山地
ラストスパートに入った段階で、施主さまが現場の最終確認に来られることに。当日は、固唾を呑みましたが、現場をご覧になり「これでいい」と即断されたの です。最終的に全員の思いが結実した「現場の力」を感じる貴重な経験をさせていただきました。

山下PMCに依頼する上で、最も期待した点は何ですか?

三原
当社は不動産の資産運用の対象として現在、多くのホテル開発に取り組ん でいます。ただ、「二条城別邸」の開発に着手したころは経験も浅く、コストや工期の管理はもちろん、ホテルづくりのすべてをお任せしたいと依頼しました。

山下PMCからの、ホテルの価値を高めるための人選、ゼネコン選定によるチーム体制の提案はどう評価していますか?

三原
不動産ファンドとしては、予算と工期、実現したい価値などのゴール設定がすべて。ホテル品質の担保の部分はノウハウがないので、山下PMCさんにお任せしました。今回のホテルはコレクションホテルのため、ホテルスタンダードがあまり明確ではない。いわばオーダーメイドなので、ものづくりにこだわりのあるチーム体制で、山下PMCさんがハブとなって、アイデアを出し合う雰囲気のよさなど、うまくいったと思います。

ホテルの価値とは、何で評価されるとお考えですか?

三原
当社は、ホテルをつくっておしまい、デベロッパーに売っておしまいではなく、自社でホテルを経営していきます。今後、何十年も経営していくホテルを、お客さまがどう評価してくれるのか。さらには、自社の社員たちが働く現場でもある。建物としてきれい、デザインがいい、そうした見た目だけではなく、サービスを生み出す環境としてのホテルの品質が備わっていなければ、評価は得られず、価値は生み出せません。そこは建築という範疇ではないかもしれませんが、山下PMCさんに参加していただくことで、そうした品質も担保されたホテルが完成したと実感しています。

現在も他のホテル開発でも山下PMCが参加させていただいていますね。

三原
二条城別邸は、25室とコンパクトで、サイズ感がちょうどよかった。しかし、現在手がけているスーパーラグジュアリーホテルの開発を進める上で常に難しいと感じるのは、関係者の多さです。ホテルブランドによっては、専門分野を担うデザイナーやコンサルタントが何十社も入ります。さらに細分化された工事と本体工事との調整など、すべてを俯瞰して見てくれる人が必要です。ホテル全体の価値は、どれか1個が欠けたり、品質が伴わなかったりすれば成り立ちません。開発をサポートするホテルPMとしての役割を、今後も山下PMCさんに期待しています。


プロジェクト概要

発注者・施設所有者・運営者 合同会社二条(代表社員 ウェルス・マネジメント株式会社)/
リシェス・マネジメント株式会社
所在地 京都府京都市中京区市之町180-1
建物用途 ホテル
面積 敷地面積 1,124.31㎡/建築面積 587.90㎡/延床面積 2,247.75㎡
規模 地上4階・地下1階・客室数25室・スペシャリティレストラン&バー
構造 鉄筋コンクリート造
設計・施工 大成建設株式会社
PMr/CMr 株式会社山下PMC
PMr/CMr業務期間 2019年6月~2020年11月
山下PMC担当者 佐藤智香、青山 悠、阿久津太一、旭 翔一、 栗田文久、長尾真奈美、大橋靖史

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プロジェクトに関わったマネジャー

関連する用途

  • ホテル

    現代のホテルビジネスでは、所有・経営・運営を分離し、それぞれのリスクに応じて利益の分配を行う事業方式が日本においてもスタンダードとなりました。事業主が所有・経営・運営いずれの立場であっても、事業のどのフェーズにおいても、経営的側面と建築的側面の双方から常にリスクとリターンを明確にした、専門的コンサルティングサービスが求められています。また、近年ホテルのグレードは高くなる傾向が強くなっています。一般的にホテルのグレードが高くなるとサービスも質と量ともに増えるため、施設のグレードや複雑さも高くなります。それにより、関わる設計者、施工者、デザイナーやコンサルが増えるだけでなく、事業主側でも求められる対応が高度化しています。

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