プロジェクトストーリー
茅ヶ崎市地域医療センター 3師会主導による救急医療施設の建築をCMがサポート(中編)
皆さまが自由に意見を言える会議を心がけました
―建築が進む中で、困ったことはありましたか?
- 丸山
- この事業は4つの組織が関わるので、それぞれの意見を調整し、まとめあげることが大変でした。運営費用についても、我々にはわからないことも多いので、山下PMCさんに、ずいぶん助けていただきました。
- 石原
- 数十年先を見据えて、ランニングコストの負担を抑えたいご要望がありましたので、計画規模の設定に対し、管理・運営費の試算も重要な判断材料となりました。
- 丸山
- 設計・施工会社さんの提案に対しても、山下PMCさんが判断の手助けをしてくれました。我々には材質一つとっても、特徴やコストはわかりませんからね。
- 石原
- コストバランスを確認しながら「いいもの」を選択できるように比較・助言しました。汚れにくい外壁仕上げ、ワックスがけが不要な床仕上げなど、建築資材と経年変化のことなども含めて、最適な方法を模索しました。そういった私たちの提案に対し、とてもスピード感のある判断をいただきました。
- 丸山
- 他にも様々な問題が出てきました。今、振り返ると、市の方も、設計・施工会社さん含め、皆さん誠実に対応していただけたと感じています。
- 石原
- 会議は単なる報告会ではなく、皆さまが意見を自由に言えることが大切ですね。
―ウッドデッキや中庭等、開放的で心地よい空間もありますね。
- 丸山
- 工事中に3階の屋根はウッドデッキにした方がいいのではないか、という意見があり、費用はかかりましたが、よい環境がつくれたと思います。
- 石原
- 総額感を確認しながら設計施工者から複数案提示してもらい、そこから選択できるように進めました。
- 丸山
- 中庭を取り囲む設計もよいですね。
- 石原
- 設計者の中庭提案は、環境向上だけではなく、廊下が短くなり面積効率を向上させる効果も読み取れましたので、私たちも推奨できました。
理事会室に隣接された開放的なウッドデッキのテラス。スタッフの交流の場として活用予定。
関連する用途
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医療・健康施設
医療施設の整備には、経営・運営・施設の視点を統合した計画立案が欠かせません。しかし、診療報酬制度の制約を受ける経営、多数の専門職が関わる運営、24時間365日止められない施設において、全体を見渡し最適な計画案を見出すとともに、関係する専門職の納得感を得ながらプロジェクト推進を行うことは容易ではありません。3つの視点を横断的に俯瞰し、複数の分野・部門にまたがる関係者の合意形成を実践できるプロジェクトマネジャーが求められてます。