建設市況レポート(21年6月)
今月の建設市況と今後の見通し
設備投資が上向き?
ワクチン接種が少しずつ広がり、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は、制限付きではありますが、観客動員が決まりました。
やっと先が見えてきた感がありますね。
しかしながら、本当の意味での安心はワクチンではなく治癒薬の開発だと思うのですが、こちらにも期待したいところです。
さて、先日の日経新聞に、「設備投資がコロナ前の景気に回復しつつある」との記事がありました。
たしかに、山下PMCでも動きを感じ取っているのですが、飲食やイベント関連業界の方々の苦労、市民の行動を制限されたなかでの日常生活を考えると、回復といわれても実感がわかないのが個人的な思いです。
傾向として確実なことは、鋼材価格の高騰です。
鋼材が6月初旬に1万円UPしましたが、舌の根が乾かぬうちに「さらに1万円UP」の記事がありました。
理由としては、原料高により自社努力では吸収できない、との判断のようです。
輸入合板や塩ビ樹脂も5%前後値上りをしているとのこと。
建設業界固有の人手不足も加わり、いつものセリフですが今後の動向に注視していきましょう。
さて、下記に先月のコスト状況(6月初旬発表)をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は先月上昇傾向でしたが、一部を除いて横ばいとなりました。
RC系資材は先月に引き続き、横ばいです。
建築費指数は先月に引き続き、S造は上昇傾向です。
RC造は横ばいです。
2.都市間格差の傾向
今回はRC造の集合住宅、病院、学校をピックアップしましたが、大きな変化は見られません。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
建築費指数:2011年比/ それ以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●鉄スクラップ H2 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
現状維持
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
建築費指数:2011年比/ 上記以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
RC造 集合住宅の建築費都市間格差指数の推移
2015年比
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 病院の建築費都市間格差指数の推移
2015年比
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
RC造 学校の建築費都市間格差指数の推移
2015年比
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 札幌、仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 東京
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