週刊 施設参謀 週刊 施設参謀

経営課題を解決するファシリティ・
CRE戦略マガジン

会議での発言、それちゃんと伝わっていますか?

木下雅幸の3分間マネジメント会議での発言、それちゃんと伝わっていますか?

大人数が参加する会議、発表するには勇気がいりますよね。部下に会議での発表を任せた晋作さんは、なんだか不満気な様子。見かねたキノシタは声をかけてみました。

キノシタ
建築のプロジェクトマネジメントに特化したコンサルティング会社の、こう見えてもトップコンサルタント。
晋作さん
自動車メーカー勤務、開発部長を務める。妻1人に娘2人、孫3人。草野球チームでは8番バッターでライトを守る。
晋作さん
最近の若い者は人の気持ちを感じるのがヘタになったんじゃないかな。
キノシタ
どうしました。会社で何かイヤなことでも?
晋作さん
この前、20代の若い部下に、社内会議で発表させたんだよ。彼の担当していた開発案件の進捗状況の報告だった。その発表がグダグダなものでね。参加者の雰囲気を感じれば、皆が発表に集中していないことがわかるはずなのに、不思議なんだよなあ。
キノシタ
発表しながら周りの空気を察知して、会議を進行するのは、結構大変なことだと思いますよ。

「言った」と「伝わる」は違う

会議に場慣れしていない若い人は、参加者は皆、発表者である自分に集中しているはずだと、無条件に信じる傾向にあります。しかし私くらい年齢を重ねると、参加者はまず会議とは別のことを考えているという程度の見方が、そう間違っていないと経験上わかっています。

晋作さんの部下はまだ若く、発表すること自体でアップアップなのだと思います。自分の発表の精度を高める努力は怠ってはいけませんが、もっと大切なことは聞き手にいかに集中してもらうかです。

会議の場を見渡してみると明らかに集中していない表情の持ち主がいる。そういう場合は、相手にピンポイントで語りかけます。「○○さん、これ前回心配されていましたけど、大丈夫ですか?」などと発言のきっかけをつくる。すると、相手は次第に会議に集中しはじめるのです。

時にピリピリしたムードの会議に参加しなくてはならないこともあります。会社の重大な意思決定に関わる会議でありながら、参加者の意見が賛成・反対、真っ二つに分かれているような会議です。そんな場のムードに引っ張られた中では、いくら相手のことを思って発言したとしても、提案を受け止める土壌がないので伝わりません。

そんなとき私なら、その緊張した場を崩しにかかろうとします。明るくポジティブな話題を持ち出したり、笑いを取りに行ったり……。うまくいけば参加者は張り詰めた状況から脱して、私の意見を受け止める余裕を持ってくれます。

さて、晋作さんの話に戻りますが、若い発言者が、会議のメンバーに注意を喚起できなかったことが大きな問題だと晋作さんは感じていました。

そうした場合、議論が長引いてしまったり、横道にそれて本来伝えたいことが伝わらなくなってしまうことがあります。発表者としては「ちゃんと言ったのにー」と感じることでしょう。しかし、「言ったこと」ではなく、相手に「伝わること」が重要なのです。

取材・文:陣内一徳

木下雅幸郎

株式会社山下ピー・エム・コンサルタンツ
取締役 常務執行役員 / CIO(イノベーション推進責任者)
木下雅幸

1968年、茨城県水戸市生まれ。
神戸大学大学院工学研究科建築学専攻修了。建築設計事務所大手の山下設計で超高層オフィスビルなどの大型プロジェクトの設計を手掛ける。その後、三井生命保険の不動産部不動産投資グループで数多くの投資ビル全体のCRE戦略の構築やアセットマネジメント全般に従事。2010年に山下PMCに入社し、多数のプロジェクトに関わる。現在は取締役 常務執行役員 / CIO(イノベーション推進責任者)の立場で、クライアントの参謀として未来を描き・実現するビジネスモデル創出型のサービスを展開。
プレゼンテーションの勝率9割の実績を持つ、山下PMCのトップコンサルタント。 主な受賞に、グッドデザイン賞、日本コンストラクションマネジメント協会CM選奨ほか。