頑張って作った提案書、お客さんの反応がイマイチだったけど、原因がわからないことってよくありますよね。プレゼン勝率9割のキノシタからは、どんなアドバイスがあるのでしょうか。
- キノシタ
- 建築のプロジェクトマネジメントに特化したコンサルティング会社の、こう見えてもトップコンサルタント。
- コウタくん
- 勤務する広告代理店では駆け出しの営業マン。学生時代から野球部で活躍し、いまは職場でハードワーカー。
- コウタくん
- 同僚が悩んでいて相談に乗ってるんだけど、ホントのところ、どうやって解決したらいいのかわからないんですよ。
- キノシタ
- どんな話?詳しく聞かせて欲しいな。
- コウタくん
- 提案書の作り方なんですけど、彼の作った提案書がちっとも面白くないんです。僕ならこう書くよって意見するんですけど、どうにもそれが伝わらない。
- キノシタ
- その企画書はどんな風に面白くないの?
- コウタくん
- なんだか、いっぱい書いてあるんだけど、言いたいことが見えてこないというか……。
- キノシタ
- なるほど。それは「やりますやります提案書」になっているんだな。
自分の「考え」が伝わるからこそ、人は動く
広告代理店に勤めるコウタくんの同僚がつくった提案書は、お客様向けの新商品販売促進に関する提案書でした。販促イベント、メディア展開、ノベルティ制作など、盛りだくさんの提案書が出来上がりました。ところが、この分厚い提案書はいまいち反応が悪いのです。
おそらく彼は、誰もが納得する提案書を仕上げるために、まずすべての要素を網羅しなきゃいけないと考えたのでしょう。しかし、そこで力尽きてしまった。事実をいくら集めてもそれはあくまで素材であり、素材を整理してまとめたものは「報告書」でしかありません。「提案書」は、提案する者の考えが込められているくらいの方が、いい提案書になることも多いものです。
提案書と報告書の違い

お客様の目標とするゴールの延長線上で、お客様の予想を上回る提案ができれば喜んでいただけるものです。提案を受けるお客様側も、明確な成果をあげるよう、社内から厳しいプレッシャーにさらされています。しっかりとした考えに裏打ちされた「提案」を受けた時にこそ、「この人と一緒に勝負してみよう」と思えるのです。
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株式会社山下PMC
取締役 常務執行役員 / CIO(イノベーション推進責任者)
木下雅幸
1968年、茨城県水戸市生まれ。
神戸大学大学院工学研究科建築学専攻修了。建築設計事務所大手の山下設計で超高層オフィスビルなどの大型プロジェクトの設計を手掛ける。その後、三井生命保険の不動産部不動産投資グループで数多くの投資ビル全体のCRE戦略の構築やアセットマネジメント全般に従事。2010年に山下PMCに入社し、多数のプロジェクトに関わる。現在は取締役 常務執行役員 / CIO(イノベーション推進責任者)の立場で、クライアントの参謀として未来を描き・実現するビジネスモデル創出型のサービスを展開。
プレゼンテーションの勝率9割の実績を持つ、山下PMCのトップコンサルタント。
主な受賞に、グッドデザイン賞、日本コンストラクションマネジメント協会CM選奨ほか。