週刊 施設参謀 週刊 施設参謀

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設備投資効果を高める「経営」視点と「保守管理」視点の一体化(前編)

経営者にとって、保有施設に毎年かかり続けるランニングコストは悩みの種。また施設管理も、管理部門や外部の管理会社に任せっきりになりがちです。しかし、経営者と施設管理者がコミュニケーションを取ることで、合理的な設備投資判断が可能になり、経営的にメリットのある施設運用が実現するのです。

経営的視点と保守管理的視点

企業が施設を保有・運用する際には、大きく分けて2つの視点が存在します。

1つは、経営的視点。現在の施設をいつまで使うか、新たな事業の拠点として新築するかなどといった、経営方針に沿ったCRE(企業不動産)戦略を立案して実行していく、マクロ的な視点です。

もう1つは、保守管理的視点。日常的な保守、及び、数年~数十年単位で発生する修繕・更新について、適切な方針を立てることにより施設にかかるライフサイクルコストを抑える、ミクロ的な視点です。

経営者と施設管理者をつなぐPM/CMという立場で設備改修業務に関わってきた私は、この2つの視点を並行して捉えることで、優れた施設運用が行えると考えています。

優れた施設運用を実現するには

経営的視点で施設を捉えるというアプローチは、多くの経営者に浸透してきているように感じます。資産を効率化し余計な支出を抑える方法のひとつとして、複数の保有施設の利用状況を調査して利用率が低い施設を売却するなどして保有資産から外すことも、一般的に行われるようになりました。企業の価値の評価軸が経営効率を示すROA(総資産利益率)やROE(株主資本利益率)となっている現代において、利益を示す分子を大きくするだけでなく、資産・資本を示す分母をいかに小さく抑えるかが企業の価値を上げる要因となります。

[図1] 経営的視点と保守管理的視点の融合

経営者のマクロ的視点と、施設管理者のミクロ的な視点
双方から、最適な施設運用計画を導くことができる。

一方、経営者にとって保守管理的な視点で施設に接することはあまり馴染みがないのではないでしょうか。一般的に施設の保守管理業務は、自社の施設管理部門に任せたままだったり、外部の管理会社等に委託していることが理由でしょう。

しかし、一歩先の施設運用を実現するには、経営者と施設管理者が高度なコミュニケーションができる場を設けることが重要だと考えています[図1]

施設管理者にとっては、この施設をどうするかという方針について経営者と共通認識をもつことで、適切な保守管理計画を立てることができます。経営方針を理解しないままでは無駄な投資になっているかもしれないのです。一方、経営者としても、施設管理者からの修繕・更新費の申請に対して、その工事が本当に必要なものなのか判断しやすくなります。

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