京浜トラックターミナル DynaBASE(ダイナベース)
陸・海・空、交通至便な高機能型物流施設
Eコマースの急成長、事業継続性への対応、空前の人手不足など激変する物流業界でさらなる高みを目指す最新物流施設『ダイナベース』を紹介します。
施設紹介:京浜トラックターミナル DynaBASE(ダイナベース)
都心エリアながら、24時間365日稼働可能。首都高速道路、東京港、東京国際空港(羽田)に近接し、陸海空の多様な輸送手段との連携もスムーズ。また、東京モノレールやバスなど公共交通の便もよく、働く人に優しい設備が充実。南北にランプウエイが2か所あり、安全なワンウェイ動線を確保している高機能型物流センター。
東京都大田区平和島2-1-1
話し手のご紹介
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先川原幸弘さん
日本自動車ターミナル株式会社
技監 事業本部 副本部長・
事業本部 部長 施設担当兼務
1958年生まれ。1978年11月、日本自動車ターミナルに入社。事業本部施設課にて京浜・板橋・足立・葛西トラックターミナルの再開発の推進と既存施設の維持メンテナンスに従事。 -
柳原 剛
山下PMC
事業管理運営本部 QCDS部
チーフプロジェクトマネジャー
1974年生まれ。北海道大学大学院工学研究科都市環境工学専攻修了。プランテックグループで設計、コンサルティング業務に従事。山下PMCに入社後は生産施設、物流施設、研究開発施設を中心にプロジェクトを推進。
災害に強く、オペレーション効率に優れたワンフロア完結型高機能型物流センター
- 先川原
- 日本自動車ターミナル(以下・JMT)の創立50周年を記念して建設した『ダイナベース』は、今後の事業戦略の核となる施設です。
- 柳原
- 竣工の1年も前にすべてのフロアのテナント契約が成約したことは、大きな話題になっていました。私たちもJMTさんからのご要望にできるだけお応えしながら、スケジュール通り、2018年7月に竣工できました。
―山下PMCを選定した理由についてお聞かせください。
- 先川原
- PM/CMの専業として、20年以上の歴史があり、専門的かつ客観的判断ができること。また、物流施設建築での実績が業界髄一であることなどの理由からです。
- 柳原
- 『ダイナベース』の前には、『京浜トラックターミナル新7号棟』の建設で、CM業務を担当しました。
- 先川原
- 両施設とも、JMTの重要なプロジェクトです。新7号棟の建設では、コスト調整などの課題がありました。このときも、私たちに寄り添いながらも、中立的な立場での提案をいただき、短期間で高品質の施設を実現してくれました。だからこそ、山下PMCさんなら、『ダイナベース』がさらによいものになると確信していました。
- 柳原
- 基本計画から、技術的な中立性を保ちつつ、CMrとして参画しました。JMT、設計・施工担当のフジタの皆様と多くの議論を重ね、文字通り三位一体となり、時代を先取りする施設が完成しました。
―『ダイナベース』の特長をおしえてください。
- 先川原
- ここは首都高、東京港、羽田空港から近く、立地面の優位性は非常に高い。大きさもJMTの単独施設としては最大の5階建て、延床面積約2万9000坪。ワンフロア完結型のオペレーション体制ができ、ダブルランプウエイ方式を採用することで海外コンテナを含む40フィートのコンテナ積載車が各階に乗り入れることも可能です。
- 柳原
- 実は、計画段階で動線を変更しました。正面から入って来るトラックがUターンをしなくてはならないところがあり、そこは先川原さんとも共通の課題認識を持っていました。そこで、解決策について設計者を交えて協議し、現在のようなラウンドアバウト(旋回通路)案を引き出すことができ、検証の結果、採用しました。
- 先川原
- 当初の計画とは大きく変わりましたね。
- 柳原
- 物流施設の要は動線。私たちはこれまで、物流施設を多く手がけてきた経験から、妥協せず徹底して議論しました。
- 先川原
- ラウンドアバウトの採用で安全性の確保だけでなく、渋滞の緩和も実現できました。実は、ラウンドアバウトのスペースを確保するためには建物をコンパクトにしなければなりませんでした。そこで、建物の奥行きを増やすことで倉庫の面積を減らさずに、より使いやすい平面形状を実現できました。
- 柳原
- このラウンドアバウトはシンボリックな植栽とともに、間接照明でライトアップされています。浜松町と羽田空港を結ぶモノレールからも見えますが、とても美しい。安全性、利便性、そして美しい景観までも実現できました。
京浜トラックターミナル『ダイナベース』全景
ラウンドアバウト部分のシンボリックな植栽。
プロジェクトに関わったマネジャー
関連する用途
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物流施設
EC(Electric Commerce:電子商取引)事業の需要拡大をはじめとして、物流施設の性質や機能は時代とともに大きく変化しつつあります。コールセンターや撮影スタジオを併設した物流施設や物流業務の効率化、省人化を目的としたマテハン(マテリアルハンドリング:モノの移動)機器に対応する大規模高機能型物流施設などは、その一例といえます。同時にBCP(事業継続計画)への関心が高まり、耐震性能の高い安心・安全な建物や、災害時に速やかに復旧できる施設が求められています。環境への配慮も欠かせない要素であり、街づくり的なアプローチが必要な施設もあります。これらの新しいニーズが高まる一方で、施設の大型化に伴い、保管や荷役の集約化が進み、これまで以上に競争力のある施設の実現も求められています。