建設市況レポート(23年10月)
今月の建設市況と今後の見通し
プロジェクト固有の物価上昇に関する説明
建設費高騰の勢いが止まりません。
プロジェクトの事業収支を算出した時期によっては1.3~2倍程度UPしており、事業収支の見直しやプロジェクト自体を見直す案件もあると思います。
我々の建設プロジェクトにおける役割上、施工者様作成の見積書を評価させて頂くことが多いのですが、高額単価が並んでいます。
1年前はその高額単価を目にして驚いていたのですが、今は慣れてしまっている自分に気付き、それにもまた驚いています。
この様に時間を掛けて少しずつ物価上昇を受け入れていくことになるのかもしれませんが、発注者様への説明を積極的に行う必要があると思います。
先月もこのレポートで同様の話をしたので繰り返しになりますが、日建連がまとめられている上昇下降のデータなどを利用して建設業界全般の状況を説明されているのですが、プロジェクト固有の分析・状況説明までには至っていない案件が多いと感じています。
我々もCMrとして提出された見積書の分析・評価は行うものの、見積書作成者の施工者様からの分析・状況説明が必ず必要になります。
プロジェクト固有の説明資料は定型的な分析だけではないので作成に時間を要しますし、働き方改革に向け残業時間が制限されて仕事量を増やすことは難しいと思いますが、優先順位を上げて取り組んでいただきますよう宜しくお願い致します。
我々も微力ながら支援できるように頑張っていきます。
さて、下記に先月のコスト状況(10月初旬発表)をお伝えします。
資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材について、先月に続きスクラップが上昇していますが、その他は横ばいです。
RC系資材について、先月に続き横ばいです。
建築費指数について、S造、RC造とも上昇傾向です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ それ以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●鉄スクラップ H2 東京
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ 上記以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 RC 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
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