建設市況レポート(21年2月)
今月の建設市況と今後の見通し
格差?が生じ始めてきた市況
緊急事態宣言の効果でコロナ陽性の人数が減少傾向にあって一先ず安心できそうですね。
昨年春の緊急事態宣言時とは異なり、コロナ特需を受けている業界と大きな損害を免れない業界の差が浮き彫りになってきたようです。
日経新聞2月10日の一面にありました「世界の企業、コロナ前回復(10~12月業績)」に、世界の主要企業の純利益が前年同期に比べて1割強増えた、との記事がありました。
最も伸びたのが在宅勤務の拡大でパソコンやサーバーの需要が伸び、半導体が4割増益、次いで素材・エネルギー分野とのことです。一方、非製造業の空運は8割強が最終赤字、小売りも辛いようです。
早く皆で一杯飲みに行きたいですね。
また、鋼材の高炉製鉄所を持つ日本製鉄が1基の高炉を休止する方針を固めたようです。
国内生産能力は現状から2割減となり、自動車向けの需要は増えているものの過剰感があることと、脱炭素政策に対応するための設備削減が目的とのこと。
造船や油ガス田開発などの伸び悩みが続くことが予想され、これが建設鋼材価格にどの様に影響するか注視する必要がありそうです。
さて、下記に先月のコスト状況をお伝えします。
1.資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材はスクラップ以外に急な上昇がみられます。
RC系資材は先月に引き続き、横ばいです。
建築費指数はS造は下降傾向、RC造は上昇傾向です。
2.都市間格差の傾向
今回はS造のオフィス、ホテル、店舗をピックアップしています。
前回はホテルにおいては札幌が一番高く、
オフィス、店舗は東京が一番高い傾向にありましたが、
12月において。オフィスの建築費指数は東京と札幌が同等となりました。
低い傾向(90以下)にあるのはこれまでと変わらずどの用途も「金沢、新潟、高松」の3都市です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●人工軽量コンクリート 180キロ強度 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
S造 オフィスの建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
S造 ホテルの建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京
S造 店舗の建築費都市間格差指数の推移
指数比較(今月)
- 金沢、新潟、高松 < 仙台、大阪、広島、名古屋、福岡 < 札幌、東京