できるビジネスマンのTODOリストはここが違う
木下雅幸の3分間マネジメント できるビジネスマンのTODOリストはここが違う
予定通りに仕事をこなすにはTODOリストの精度を上げたいが、仕事は一人だけでは完結しないもの。そこで、その他のプレイヤーのTODOも考えた「段取りTODOリスト」をつくってみる。
- キノシタ
- 建築のプロジェクトマネジメントに特化したコンサルティング会社の、こう見えてもトップコンサルタント。
- コウタくん
- 勤務する広告代理店では駆け出しの営業マン。学生時代から野球部で活躍し、いまは職場でハードワーカー。
コウタくん
キノシタ
イヤイヤそういう時こそ、会社の組織力を利用すればいいんじゃないかな? 君の会社ならできる先輩もいれば、体力のある同僚もいるだろう。
コウタくん
ええっ、もしかして仕事丸投げですか?
キノシタ
そうじゃないよ。あくまでキミが全体をコントロールして、仕事を段取りよく進める必要があるということさ。会社のリソースを効率よく使って、最大のパフォーマンスを得るといえば、理解できる? だけど、人を使うってけっこう難しいよ。たぶん最初のうちはTODOリストを何回も書き直すことになるはずさ。
他者の動きをイメージするとTODOリストは進化する
部内であれ課内であれ、チームで動きながら自分の担当の仕事をこなすというのが、会社の一般的な形態です。
たとえば、コウタくんが任された資料作成では、専門家にヒアリングしたり、調べ物をしたりする必要があり、完成時期が迫っているなら、手分けしてなんとか完成にこぎつけようと考えるのがフツーです。おそらく、最終的に書類が完成しても上司のチェックがあって、その対応処理も見込んだほうがいいでしょう。
コウタくんは駆け出しの新人ですから、もっと周りの先輩たちに助けを求めることができる立場。彼らの力を借りながらよりスピーディに仕事を進めるという選択肢もあるでしょう。
そのためには、TODOリストに先輩たちとのやりとりも加えると、だんだんリストの精度が高くなる。コウタくんはリストに、「○○さんに話を聞く」「△△さんに情報を集めてもらう」といった行動を入れていくことで、周りが見えるようになります。
ただし、○○さんに話を聞くにはアポ取りが必要で、いつ話を聞けるかは未確定。また、情報入手までの△△さんの作業時間もどれだけかかるかはっきりしません。そこがクリアしないとまだ書類作成に取りかかるのは難しいはずです。なぜなら、すべての要素が段取りとなって結びついているからです。
すると、新しいTODOリストは他者の行動が含まれると同時に、他者とのやりとりを行うタイミングも含まれる必要がある。私はそれを「段取りTODOリスト」と呼んでいます。
めんどくさいなと思われるでしょうが、そんな大げさなリストをつくる必要はありません。仕事のパフォーマンスは、他者とのやりとりをイメージしたTODOをつくることだけで、飛躍的に向上します。
段取りを想定し、事態の成り行きをイメージできていれば、仕事は想定どおりに進むようになります。そこまでイメージしてもゴールが見えない場合には、上司に早めにSOSを出せます。成り行きで失敗してしまう人より、きちんと結果のシミュレートできる人の方が、上司は安心して仕事を任せられます。
「3分間マネジメント」の続きはnote「続・3分間マネジメント」で連載中です。 木下著「ムダな努力ゼロで大成長 賢い仕事術」も発売中!
TODOリストに時間見積もりを入れるって、ボクも始めました。漫然と仕事するよりも絶対いいですね。仕事がはかどります。でも突発的な事情で、その日は実働4時間しかこなせなかったなんてことも起こります。すると、計算上は次の日、12時間分の仕事をしないと取り戻せない。そんなときは、ちょっとヘコみますね。