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木下雅幸の3分間マネジメント

会議で決まったことがひっくり返された!部下も意気消沈…

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ビジネスの世界を生きる人間ならきっと出会ったことがある、小さな悩みや迷い。この連載は、そんな日常的な「もやもや」の原因と対策を考える想定問答集です。

回答者は建築コンサルティング会社に勤める、キノシタこと木下雅幸。名うてのプロジェクトマネージャーとして、これまでいくつもの大型案件を手がけてきました。

キノシタの草野球仲間で、キャリアも業種も異なる5人の友人が、折にふれて悩み事を持ちかけてきます。

キノシタ
建築のプロジェクトマネジメントに特化したコンサルティング会社の、こう見えてもトップコンサルタント。
タスクくん
キノシタも所属する草野球チームで4番でサードを守るチームの主力選手。菓子メーカーに勤務する35歳の中堅ビジネスパーソン。

タスクくん

このあいだ、会社でアニメの人気キャラクターを使ったチョコレートの新製品企画を提案したんですけど、いつのまにか否決されてしまったんです。部長も会議じゃOK出していたくせに。部下たちも張り切ってリサーチしてくれたのに、こんなんじゃ皆のモチベーションが上がらなくって……。

キノシタ

新製品開発といえば、会社の命運を握るプロジェクトでしょう? そう簡単に意見が通るとは思えないよ。部長は、キミたちの手柄を妬むような懐の小さい男なのかな。

タスクくん

いや、わりと男気のあるリーダーですね。

キノシタ

じゃあ、別の要因を考えるべきだな。

プロジェクトは自分の知らないたくさんの会議でできている

プロジェクトとは社内横断的に多くのメンバーを巻き込んで、ある特定の目的を実現すべく、期間つきで遂行される活動のことです。大規模なプロジェクトになればなるほど、その意思決定のプロセスは複雑になります。

三角形のピラミッドを想定してください。

プロジェクトは自分の知らないたくさんの会議体で構成されている!

たとえばピラミッドの頂点には、最終意思決定を行うマネジメント会議があります。その中間には、部長クラスが差配する部門会議があり、その下に現場レベルの実動部隊の分科会が配置されることがあります。

今回タスクくんたちが企画した子供向け人気アニメのチョコレートは、開発部からの意見として、各部長が集まる部門会議の場で提案されました。

一方で、他の部からは、少子高齢化が進む日本においては大人向け商品を増やしたほうがいいという意向が出されました。

そして、経営幹部によるマネジメント会議において「大人向けで行こう」という結論が出され、タスクくんの案はあえなくボツとなったのでした。

プロジェクトが巨大になればなるほど、こうした齟齬は、いろいろなところで起きています。

会社とは、さまざまな会議体を構造化し意思決定を行うものです。下部の会議で行われるのは部分最適ですが、上に行けば行くほど全体最適が優先されます。

すると、下の会議では正しい決定事項が上部の会議では否定される、ということは日常的に起こりうることなのです。

タスクくんたちは自信満々で今回の提案をし、部長もゴーサインを出しましたが、それはあくまで部分最適でした。

自分の企画を実現するためには、より高いところからみて全体最適かどうかに注意をはらう必要がある。タスクくんはそう考えるべきでした。

かれがもっと他の会議体のことを意識して、他部門の動向や、経営幹部の発言などに注意していれば、ひょっとしたら結果は違っていたかもしれません。

取材・文:陣内一徳

「3分間マネジメント」の続きはnote「続・3分間マネジメント」で連載中です。 木下著「ムダな努力ゼロで大成長 賢い仕事術」も発売中!

株式会社山下PMC
取締役 常務執行役員 / CIO(イノベーション推進責任者)
木下雅幸

1968年、茨城県水戸市生まれ。
神戸大学大学院工学研究科建築学専攻修了。建築設計事務所大手の山下設計で超高層オフィスビルなどの大型プロジェクトの設計を手掛ける。その後、三井生命保険の不動産部不動産投資グループで数多くの投資ビル全体のCRE戦略の構築やアセットマネジメント全般に従事。2010年に山下PMCに入社し、多数のプロジェクトに関わる。現在は取締役 常務執行役員 / CIO(イノベーション推進責任者)の立場で、クライアントの参謀として未来を描き・実現するビジネスモデル創出型のサービスを展開。
プレゼンテーションの勝率9割の実績を持つ、山下PMCのトップコンサルタント。 主な受賞に、グッドデザイン賞、日本コンストラクションマネジメント協会CM選奨ほか。

木下雅幸

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