プロジェクトストーリー
ABS秋田放送 新社屋 日本一“コンパクト”なラテ兼営局(中編)
効率化を目指すことで実現できた良質の空間
―駅前という、とてもよい立地条件ですね。
- 栁沼
- 敷地選定では、12カ所の候補地すべてに対して、山下PMCさんが、建物配置、建築基準法、都市計画法、民法といった条件を照合しながら、様々なシミュレーションをしてくれました。
―複数の候補地のなかから、JR東日本が所有する土地を一般定期借地契約により使用することが決定。なお、山下PMCが、JR東日本の多数のプロジェクトを担当していることも安心感になりました。
- 立田
- いわば都市の“玄関口”に拠点を持つことで、放送局としての使命感も上がりました。皆さんに注目されている場所で働くことができ、社員のモチベーションにもつながるでしょう。
優れた至便性の新社屋。移転後は、周辺施設とも連携し、地の利を活かした施策を展開していく。
―大きな課題は建設コスト。当時の市況も影響し、予算を大幅にオーバーしていました。
- 石原
- 一般的なオフィスと比べるとスタジオ・電気設備などはコストが非常にかかり、総額が把握しにくいという特徴があります。また、設計・施工者は1社特命でした。そのような条件のもと、予算内に納めるために、床面積や架構(柱・杭数)の工夫を行うなど、コストダウンの具体策を提案しました。コストをかけるべき優先順位付けにより、必要な機能・スペースはしっかり確保しました。
- 栁沼
- コンセプトからはブレることなく、妥協していません。山下PMCさんが、コツコツと工夫してくれたおかげで、何億円も削減できた。もちろん、BCP対策も万全です。
- 石原
- 電源のバックアップは特に重要で、災害時も放送が続けられるように慎重な対策を講じています。
- 重冨
- 面積規模にこだわらず、メリハリのある計画を進めたことで、秋田杉を使ったエントランスなど、素敵な空間が仕上がりました。
秋田杉を使用したエントランスと、可動間仕切りで分けることが可能な多目的ホール。会議・講演会・LIVEなど、様々な用途を想定。
ラジオスタジオと収録の様子を眺めることができるブレイクコーナー。
関連する用途
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放送・メディア
ネット配信等の隆盛やユーザー嗜好の細分化・多様化が進み、新聞・雑誌・テレビ等のトラディショナルメディアも変革の時を迎えています。これまでのメディア経営を主力としたビジネスモデルから脱却しようと新しいマネタイズを試みています。大都市で所有している不動産を活用したCREが活性化しているのはその一例です。