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建設市況レポート

建設市況レポート(25年07月)

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上昇の推移と尺度

参議院選挙、日米関税の合意といった変動の時期にあります。
いずれにおいても「経済」という切り口が大きな比重を占め、その背景には物価上昇という前提条件があります。
インフレがどのように推移してきたのか、欧米との比較及び、建築費指数とも比較をしてみます。
図表1は過去20年の消費者物価指数の前年度比の推移に建築費指数を重ね合わせたものです。

図表1「消費者物価指数と建築費指数」(前年度比)

これを見ると、改めて日本のインフレは大人しく、長らく0%付近に位置していたことがわかります。
過去20年平均で+0.7%となっており、アメリカ+2.5%、ユーロ圏+2.1%と比べて明らかな低水準となっています。

しかし、2021年以降(図表内赤の破線部分)となると日本の上昇が目立つようになります。
直近5年間の平均では日本が+2.1%であり、20年平均と比べて大きな上昇が継続している状況が見て取れます。
しかしそれでも同時期のアメリカ+4.3%、ユーロ圏が+4.0%には及んでいません。

建築費指数に目を向けると、日本の消費者物価指数を上回る上昇を見せています。
特に、2021年以降の上昇率は、欧米のインフレ率をも上回っています(直近5年間の平均+5.3%)。

身の回りの商品やサービスの価格以上に建設費は上昇しており、その上昇率は欧米のインフレ率をも上回っている状況であると言えます。

冒頭に述べたような情勢の見通しの変化は、今後の上昇にどのように影響するか。
企業の設備投資額が過去最高を更新したとの記事※1も目にしました。
一方で建設業においては、国主導での労務費の基準の策定が進む等、担い手不足の解消に向けては道半ばです。
5月のコラムで記載したように売り手市場の状況は変わらず、これより建設費の落ち着きに向けてはまだまだ見通しが利きません。

図表1出所・諸条件:
日本:消費者物価指数(総合)から前年度比を算出
アメリカ:CPI-U 【All items in U.S. city average, all urban consumers, not seasonally adjusted】から前年度比を算出
ユーロ:HICP – all-items index (2015=100) – monthly data「Euro area – 20 countries (from 2023)」から前年度比を算出
建築費指数:標準指数事務所S造(東京)から前年度比を算出

※1「設備投資34兆円で過去最高、首位にNTT返り咲き AIインフラ向け旺盛」(日本経済新聞 7月24日)参照

資材、建築費指数の傾向

鉄鋼系資材は横ばいです。

RC系資材は横ばいですが、生コンクリート価格の改定が建築費指数に影響を及ぼし始めたようにも見えます。

建築費指数はS造が前月から0.7P、RC造が前月から1.7Pそれぞれ上昇しています。

資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)

出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ それ以外:2011年4月比

推移傾向

上昇

建築費指数 東京 事務所 S 建築

現状維持

  • 異形棒鋼16ミリ 東京
  • 山形鋼6×50ミリ 東京
  • H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
  • 熱延鋼板1.6ミリ 東京
  • 鉄スクラップ H2 東京

資材、建築費指数の推移(RC系)

出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ 上記以外:2011年4月比

推移傾向

上昇

建築費指数 東京 事務所 RC 建築

現状維持

  • セメント バラ 東京
  • 普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
  • 生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
  • 【3代目】アナリストK

    株式会社山下PMC
    プロジェクト統括本部 事業推進第二部門 5部 部長

    岩下孝樹
    【3代目】アナリストK
  • アシスタントM

    株式会社山下PMC
    プロジェクト統括本部 事業推進第一部門 2部

    松尾一輝
    アシスタントM

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