建設市況レポート(25年01月)
変化の中の変革・変容
2025年がスタートしました。トランプ政権が発足し、早速世界を騒がせているようです。
我が国の建設業はどのような一年になるでしょうか。不透明感が増す経済の先行きの中でも、前に進まなくてはなりません。
この業界における最大の懸念は「担い手の不足」です。
そのために、昨年は4月に「時間外労働の上限規制の適用」が施行され、6月には「新・担い手三法※」が成立し、9月及び12月に施行されました。
そこでは価格転嫁・工期変更協議の円滑化に関するルール、請負代金等の変更について発注者が誠実に協議に応じる努力義務(公共では義務)、著しく短い工期の禁止等が織り込まれています。
「建設業法令遵守ガイドライン」も公表されました。
その他にも、国土交通省の中央建設業審議会の議論を踏まえ「工期に関する基準」が昨年3月に改定。
「建設工事の労務費の基準作成に向けた検討」は引き続き議論されています。
これらの仕組みの改変が、実際の建設プロジェクトに影響を及ぼす一年となりそうです。
しかし変革は道半ば、人口減にある我が国における「担い手不足」という深刻な課題に対しては、制度はもちろん、産業構造や我々の意識までをドラスティックに変える必要さえ感じます。
揺れ動く国際情勢と経済、そして価格高騰という眼前の困難に対峙しながらも、我々は自身を変えていかねばなりません。
※公共工事の品質確保の促進に関する法律、建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の改正
資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材(鉄スクラップは除く)は横ばい、RC系資材も横ばいです。
鉄スクラップは僅かに下降、銅及び電線は上昇しています。
建築費指数はS造が0.3P、RC造が0.2Pそれぞれ下降しています。先月に引き続きの下降となりますが楽観には早く、注視が必要です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ それ以外:2011年4月比
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●H形鋼5.5×8×200×100ミリ 東京
下降
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ 上記以外:2011年4月比
推移傾向
下降
●建築費指数 東京 事務所 RC 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
-
【3代目】アナリストK
株式会社山下PMC
プロジェクト統括本部 事業推進第二部門 5部 部長岩下孝樹 -
アシスタントM
株式会社山下PMC
プロジェクト統括本部 事業推進第一部門 2部松尾一輝
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