建設市況レポート(26年05月)
好調さの行方
ゼネコン、サブコンの2026年3月期の連結決算が出揃いました。
大手・準大手・中堅ゼネコン、機械設備・電気設備サブコンそれぞれ主要5社平均の受注高と売上総利益率の推移を図表1に示します。
売上、利益とも過去最高となっている会社が多数あります。特にサブコン各社の利益率の高さには目を見張るものがあります。
図表1「ゼネコン・サブコンの受注高と売上総利益率」(各主要5社の平均)
2025年度通期の各社個別実績・建築事業に関わるデータに基づく
次に、繰越高の推移を図表2に示します。ゼネコン、サブコン及びその規模を問わず、手持ち工事の積上がりは前年度から更に増し、その逼迫度を深めています。
図表2「ゼネコン・サブコンの繰越高指数」(各主要5社の平均)
2025年度通期の各社個別実績・建築事業に関わるデータに基づく
国土強靭化計画とともにインフラの老朽化対策・防災対策が常態的に進み、地方自治体においては、既存施設の建替や更新が目白押しです。
民間工事においては、都心部の大型再開発、データセンター、半導体工場等、「大型」かつ「専門技術力」を要する建設が立続きます。
そこに来て、建設費の上昇は定着しており、物価スライドについても、改正建設業法等を通じて以前よりも関係者の理解が進んできたように思われます。
このような情勢下において、建設の供給を担う建設業界はというと、技術者不足という構造的かつクリティカルな問題が横たわります。
もちろん、各社はDX、ICT活用による省人化・施工合理化等、生産性向上へ向けた取り組みがなされてはいますが、まだまだ人の不足を補うには至っていないように映ります。
供給量に限りがある状況下においては、以前のような厳しい競争環境とはならず、工事価格は下がりにくく、請負各社は採算性を重視した選別受注を行う形となります。
当面は各社売上・利益とも高い水準で推移するものと思われますが、強い売り手市場の状況がいつまでも続く保証もありません。
上述したように昨今の建設プロジェクトの特徴の一つとして、その「規模の大きさ」があり、大規模だからこそコスト上昇の影響は大きく、事業採算に直結し、中断や先送りとなった場合は工事受注者への影響として跳ね返ってくることになります。
先行きの見通せない現在の中東情勢も大きな不安要因となっています。
各社の業績を見るにつけ、価格転嫁が促進され、現場を支える技能労働者へと滞りなく還元されることを願うばかりです。
更にはこの好調な状況に甘んじるのではなく、技術力をより一層磨いて価値を高め、次世代に継承して、我が国の重要な産業であり続けるための不断の努力が欠かせないとも思います。
資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材は山形鋼と鉄スクラップが上昇、その他は横ばいです。
RC系資材は普通合板が上昇、その他は横ばいです。
建築費指数については、S造が0.9P上昇、RC造は0.7P上昇です。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ それ以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
上昇
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●鉄スクラップ H2 東京
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●構造用管 角管 東京 専業メーカー品、STKR400、100×100×2.3ミリ、問屋仲間
資材、建築費指数の推移(RC系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ 上記以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 RC 建築
上昇
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
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【3代目】アナリストK
株式会社山下PMC
プロジェクト推進本部 プロジェクト推進第二部門 4部 部長岩下孝樹
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アシスタントM
株式会社山下PMC
都市創造本部 都市創造3部松尾一輝
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