株式会社山下PMC（以下、山下PMC）がCM（コンストラクションマネジメント）を担当した水戸市民会館が「令和５年度木材利用優良施設等コンクール」で環境大臣賞を受賞しました。木材利用推進中央協議会では、日本における木材利用の一層の推進を図るため、平成5年から木材利用分野の拡大や特色ある木材利用に資する施設等を対象として、その施主、設計者、施工者を表彰しています。

水戸市の中心市街地に位置する水戸市民会館の外観

やぐら状に組まれた木トラス構造になっているやぐら広場は、展示・演奏・講演等、さまざまなイベントに対応できる

水戸市民会館は、東日本大震災で被災し、使用できなくなった旧市民会館に代わる施設として整備されました。設計は水戸市が実施したプロポーザルで選定された伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所 共同企業体が担い、耐火木部材の大規模な利用が決まりました。

泉町１丁目北地区市街地再開発組合より水戸市民会館の建設に係るCM業務を受託した山下PMCは、耐火木部材を利用するうえでの技術・コスト・調達の課題解決策の一つとして施工者が早期に参画するECI方式を提案する等、建築・事業推進の専門家としてプロジェクトを推進しました。

BIMモデルや3Dスキャンを活用した工事難易度の高い木工事の実現、大断面耐火集成材の加工形式としては国内初となる日本古来の「やぐら組」に仕上げられたダイナミックな空間の創出、また、ZEB Oriented、CASBEE Aランクの環境性能認証の取得等が評価され、本コンクールを受賞しました。

水戸市市民会館は、劇場だけではなく、やぐら広場や各種スタジオ、子供の遊び場、展示スペース、会議室、さらに、料理教室、屋上庭園や和室まで備えています。内部には耐火木柱が林立し、木製のカウンターやベンチ等が各所に備え付けられ、力強くも親しみやすい落ち着いた空間となっており、2023年7月の開業以来、あらゆる世代の人たちが気軽に利用することで、水戸市の中心市街地に賑わいをもたらしています。

【施設概要】

• 施主：泉町1丁目北地区市街地再開発組合
• 設計：伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所 共同企業体
• 施工：竹中・株木・鈴木良・葵・関根特定建設工事 共同企業体
• 事業コンサルタント：都市環境研究所
• CMR：山下PMC
• 主要構造：木造軸組工法、鉄骨造、鉄筋コンクリート造
• 延床面積：23,232.35㎡
• 主な使用樹種：カラマツ、ヒノキ、アカマツ他