建設市況レポート(26年02月)
縮小の世界へ
今回は着工床面積について少し具体的に見ていきます。
2025年11月の本レポートでも取り上げていますが、「需要」としての着工床面積は減少傾向にあります。
図表1の青の線(着工床面積の36カ月平均:毎月の凸凹を均したもの)を見ると、いよいよ本格的な減少局面が到来したようにも思われます。
インフレ率を上回る建設費の高騰により、事業採算は悪化し、建設計画の凍結や先送りを数多く目にします。
図表1「建築費指数と着工床面積」
出典:建設物価調査会、国土交通省 建築着工統計
「着工床面積の減少」という現象は全国的なものなのでしょうか?
2020年から2025年までの変化率をヒートマップにして図表2に示します。
この期間においては、福岡県を除いたすべての都道府県で減少しています。
全国平均で▲15.7%の減少となっており、▲30%を超える減少率の都道府県も多く見られます。
バラツキは大きいですが、全国的な現象であると言えます。
気になったので、同期間における「人口減少」を調べてみると、こちらは全国平均で▲4.4%の減少、都道府県によって▲0.8%~▲7.3%という振れ幅でした。
ここからわかるのは、「着工床面積の減少」は「人口減少」同様に全国的な現象であり、尚且つよりドラスティックな減少率になっているということです。
図表2「都道府県別 着工床面積 変化率(2020-2025)」
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出典:国土交通省 建築着工統計
建設費の上昇は鈍化しこそすれ、継続が想定されます。
先日、国土交通省より令和8年度の公共工事設計労務単価が発表され、全国全職種単純平均で前年度から+4.5%引き上げられることになりました。
改正建設業法による適正な労務費確保に向けた強い潮流は、建設費を継続的に押し上げていきます。
このような状況下において、「着工床面積の減少」はいよいよ歯止めが効かなくなるように思われます。
元々、建設業就業者数の減少が建設業界の最大のネックであり、供給力が低下しているところに需要も低減するとなれば、いよいよ建設市場規模の縮小が頭をよぎります。
人口減少に端を発するこの市場規模縮小の流れに対して、民間企業だけでなく、政府による力強い支援や規制の合理化を伴う中長期的な方針策定が必要なタイミングに来ているように思われます。
資材、建築費指数の傾向
鉄鋼系資材、RC系資材とも横ばいです。
建築費指数はS造が横ばい、RC造が0.1P上昇しています。
資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ それ以外:2011年4月比
推移傾向
現状維持
●建築費指数 東京 事務所 S 建築
現状維持
- ●異形棒鋼16ミリ 東京
- ●山形鋼6×50ミリ 東京
- ●熱延鋼板1.6ミリ 東京
- ●構造用管 角管 東京 専業メーカー品、STKR400、100×100×2.3ミリ、問屋仲間
- ●鉄スクラップ H2 東京
資材、建築費指数の推移(RC系)
出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ 上記以外:2011年4月比
推移傾向
上昇
●建築費指数 東京 事務所 RC 建築
現状維持
- ●セメント バラ 東京
- ●普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
- ●生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
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プロジェクト統括本部 事業推進第二部門 5部 部長岩下孝樹
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