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建設市況レポート

建設市況レポート(25年11月)

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需給バランス

前回のレポートでは建設費上昇の鈍化について言及しました。
今回は定量的な数字をもとに、現在の情勢を見てみます。

建築費指数に対して、建設の“需要”を表す「建設投資額」・「着工床面積」、及び“供給力”を示す「建設業従業者数」・「ゼネコン余力」・「サブコン余力」を重ね合わせました(図表1)。
赤色が建築費指数、橙色・茶色の暖色系が“需要”、寒色系が“供給力”となります。

図表1「建設業界 需要と供給」

出典

  • 建設費指数:標準指数構造別平均S造(2020年を100する指数に換算)
  • 建設投資額(実質):国交省建設投資見通(実質値)(2020年を100とする指数に換算)
  • 着工床面積:国交省 着工建築物:用途別、構造別 (建築物の数、床面積の合計、工事費予定額)の床面積合計の年平均値(2020年を100とする指数に換算)
  • 建設業従業者数:厚生労働省 職業別市場関係指数(実数)の建設躯体工事従事者・建設従事者(建設躯体工事従事者以外)・電気工事従事者の実数(2020年を100とする指数に換算)
  • ゼネコン余力:大手5社・準大手5社・中堅5社の各年度の決算説明書の次年度繰越工事高について、2019年度の繰越高を100とし指数化したものの逆数
  • サブコン余力:電気5社・機械5社の各年度の決算説明書の次年度繰越工事高について、2019年度の繰越高を100とし指数化したものの逆数

建設投資額について、9月のコラム(「上昇の最中に」建設市況レポート(25年09月) | 山下PMC)では名目値を用いていましたが、今回は実質値のデータを使用しています。
名目の建設投資額は増傾向でしたが、実質の建設投資額は横ばいもしくは微減で推移しており、全国の着工床面積は2021年以降大きく減少しています。
これらから “需要”は横ばいもしくは減傾向にあるとも言えます。

一方の“供給力”ですが、建設業従業者数、ゼネコン余力、サブコン余力共に下降の一途を辿っています。

これらより、供給力の不足が現在の建設費の上昇に繋がっており、短期的な解消見通しは難しいことから、建設費が高止まりする状況はまだ続きそうです。
他方で、建設費の高騰が需要を押し下げているようにも見え、今後、需給バランスが建設費に影響を及ぼす局面も発生しそうです

資材、建築費指数の傾向

鉄鋼系資材(鉄スクラップを除く)、RC系資材とも横ばいです。

建築費指数も横ばいです。

資材、建築費指数の推移(鉄鋼系)

出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ それ以外:2011年4月比

推移傾向

現状維持

建築費指数 東京 事務所 S 建築

上昇

  • 鉄スクラップ H2 東京

現状維持

  • 異形棒鋼16ミリ 東京
  • 構造用管 角管 東京 専業メーカー品、STKR400、100×100×2.3ミリ、問屋仲間
  • 熱延鋼板1.6ミリ 東京
  • 山形鋼6×50ミリ 東京

資材、建築費指数の推移(RC系)

出典:日経NEEDS / 建設物価調査会
建築費指数:2015年比/ 上記以外:2011年4月比

推移傾向

現状維持

建築費指数 東京 事務所 RC 建築

現状維持

  • セメント バラ 東京
  • 普通合板Ⅱ類 4ミリ 東京
  • 生コンクリート 建築 180キロ強度 東京
  • 【3代目】アナリストK

    株式会社山下PMC
    プロジェクト統括本部 事業推進第二部門 5部 部長

    岩下孝樹
    【3代目】アナリストK
  • アシスタントM

    株式会社山下PMC
    プロジェクト統括本部 事業推進第一部門 2部

    松尾一輝
    アシスタントM

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