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大阪・関西万博

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大規模イベント会場整備を支えるプロジェクトマネジャー

2025年4月13日、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)が開幕しました。開幕を目前に迎えた4月初旬、壮大な万博会場の整備事業に携わった山下PMC 4名のプロジェクトマネジャーが集い、5年間にわたる壮大なプロジェクトを振り返りつつ、今だから話せる事業への思いや未来への課題について語りました。

大阪・関西万博

大阪・関西万博

大阪・関西万博会場のシンボルであり、世界最大の木造建築物として認定された大屋根リングが世界のパビリオンを取り囲む。この屋上からは会場全体をさまざまな場所から見渡すことができ、リングの外に目を向ければ、瀬戸内海の豊かな自然や夕日を浴びた光景、大阪のまち並みなど、海と空に囲まれた万博会場の魅力を楽しむことができる。写真提供:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会

話し手のご紹介

  • 加々井千裕

    株式会社山下PMC
    執行役員
    〈大阪・関西万博会場全体整備担当〉

  • 渋谷宣隆

    株式会社山下PMC
    プロジェクト統括本部
    特定事業推進部門 部門長
    〈大阪・関西万博会場全体整備担当〉

  • 杉本憲祐

    株式会社山下PMC
    プロジェクト統括本部
    特定事業推進部門 大阪事業所 所長
    シニアマネジャー
    〈大阪ヘルスケアパビリオン担当〉

  • 三岡裕和

    株式会社山下PMC
    プロジェクトマネジャープロジェクト統括本部
    事業推進第二部門 6部
    ユニットリーダー
    〈「静けさの森アートプロジェクト」、シグネチャーパビリオン「Better Co-Being」担当〉

フロンティアスピリットで臨むプロジェクト

写真提供:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会

誰もやったことのないプロジェクトだからこそやりがいがありました

2020年、山下PMCは、阪急コンストラクション・マネジメント株式会社(以下・阪急CM)との共同企業体として、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が公募する「2025年日本国際博覧会 プロジェクトマネジメント支援業務」のプロポーザルに応募し、最優秀提案事業者として選定されました。
これまでの施設建築及びイベント会場整備での当社の実績に加え、持続可能な未来社会の創造を目指して催される大阪・関西万博の理念に応える山下PMC・阪急CM共同企業体の提案が総合的に評価された結果だったと思います。
山下PMCでは、主に万博会場全体の会場整備に係るPM支援業務のほか、パビリオンのPM/CMなども担当。大阪・関西万博の企画段階から開幕まで関係者の方々と駆け抜けた月日を振り返ります。

初めてのプロジェクトへの意気込みや、初めて経験したことについて教えてください。

加々井
大阪・関西万博の開催が決まった2018年当初から、山下PMCとして、イベントの成功に貢献したいと考えていました。しかし、当然関わるのは初めてですし、日本での開催は20年ぶりですので、精通した人はいません。前回の万博時の資料は世の中に少しばかり残っていたものの、時代に即したノウハウはないので、前例がないも同然。「手法を誰かが考えなければならないのなら、僕らが考える」―。そんな決意でスタートしました。
渋谷
私も同感です。未開の地を開拓するというフロンティアスピリットは、プロジェクトを遂行する原動力の一つになりました。もう一つの原動力は、限られた時間の中で達成しようとするチームの結束力。ふだん私たちはいくつかの案件を並行してい て、同じチームメンバーが一緒に過ごす時間は限られています。しかし、本プロジェクトについては専属で担当するメンバーがほとんどで、かなりの長期間、同じ時間を過ごしました。だからこそ、大きな課題に直面したとき「チームで何とかしよう」、そんな一体感でプロジェクトに臨むことができたのだと思います。また阪急CMさんと共同企業体を組成したので、拠点や企業文化、マネジメント手法の違いを超えてワンチームになることを意識してきたのですが、社をまたぐチームでも、よい雰囲気づくりができたのではないかと自負しています。
杉本
パビリオンはコンセプトも建築デザインもなかなか斬新です。パースを見て、コストを納められるのか、施工計画はどうしようかとずいぶん頭を悩ませました。
加々井
万博という半年間限定のイベントだからこそ実現する建築ですから、なかなか体験できないモノづくりに関わることができましたよね。

リングの中に世界中の人が集うことの尊さを感じてほしい

メディア向けのツアーでは、会場デザインプロデューサー・藤本壮介さんにリングを解説していただきました。

  • 万博の会場をデザインする上で、万博の意義について深く考えました。従来万博は最先端技術や経済の発展がテーマになってきました。しかし私は、今この時代に開催する万博には大切にすること、必要とすることがあるのではないかと感じていました。それが「多様性」です。
    今の時代、多様性はあらゆるところで言われています。その一方で、世界情勢は不安定な一面もあり、分断も激しくなってきました。そのようななかで、世界の約80%にも及ぶ、160近くの国と地域が一つの場所に集い、これから6カ月間をともに過ごし、未来について考える、それはとても尊いことだと考えました。
    これらの国と地域が集い、しっかりとつながる場所として世界最大の木造建築「大屋根リング」を設計しました。木材は持続可能、サスティナブルな素材です。
    設計は、日本の伝統的な木造技術と最新技術を融合させ、持続可能な社会を目指す意図が込められています。そして未来の建築として木造の可能性を示しています。このリングの中に、世界各国のパビリオンのすべてを包み込みます。多様な世界、価値観、伝統や文化を持ったさまざまな人たちが集まり、一つにつながる場所として機能します。
    分断が絶えない状況にあっても、このリングの中へさまざまな国と地域のさまざまな年代の人々が集まり、つながることに大きな意味があります。
    そしてここから新しい未来が開ける、始まるというメッセージを発信していきます。それが、私が考える万博を開く意義なのです。
    〈2025年4月9日、2025年日本国際博覧会「メディアデー」にて〉
  • 大屋根リングの外側の高さは約20m、1周約2km、幅は約30mにも及ぶ。使用した木材 の約70%は国産のスギ、ヒノキ。約30%が外国産のオウシュウアカマツ。写真提供:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
  • 柱と梁(はり)を組み合わせる日本古来の建築技術貫接合にくさびに 金属を使用する工法を加え、現代の建築基準をクリアしている。

プロジェクトに関わったマネジャー

関連する用途

  • イベント会場整備

    昨今、スポーツやアート等の期間限定イベントの会場整備にPM/CMを導入する事例が増えています。会場整備の手法としては、仮設建築物や工作物の新設、改修・増築による恒設施設の利用があります。また、開催後は撤去・復旧工事、レガシーとしての残置など複数パターンの対応が考えられます。プロジェクト推進では、主催者・運営者・会場所有者が異なるケースが多く、会場整備において調整が必要な関係者は多岐にわたります。

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