社員インタビュー06
慣れない商習慣の中で奮闘するお客さまを支え、
国境を越えてプロジェクトを成功に導く
グローバル事業本部 インバウンド事業部
グローバル事業本部 アウトバウンド事業部
部長
調 浩朗
ゼネコンの構造設計者からグローバルプロジェクトのPMrへ
ゼネコンの構造設計者としてキャリアを積んできた調さん。「発注者側の立場でお客さまの意思決定を支えたい」との想いを胸に山下PMCへ転身。現在はグローバルプロジェクト部の責任者として国内外の多様なプロジェクトを牽引しています。
――前職では構造設計業務を担当していたそうですね。次のステップに山下PMCを選んだ理由は?
大手ゼネコンで約15年間、スポーツ施設や集合住宅、研究所、オフィス、超高層ビルなどさまざまな物件に携わりました。最先端の技術に触れ、現場と一体になって建設事業を進めることに大きな喜びを感じていましたし、構造設計者としてのものづくりはある程度やりきれたという実感もありました。
次のキャリアを考え始めたきっかけは、お客さまの「意思決定」の場面にありました。建設プロジェクトでは、建築のプロではないお客さまが大きなプレッシャーの中で難しい判断をしなければなりません。一方で、ゼネコンや設計事務所の立場では、コスト、品質、デザインなどすべてにおいて「100%お客さまのため」と言い切れる提案をするのは難しい面があります。これは業界の構造上、仕方のないことでしょう。
そんな経験から、お客さまの意思決定を発注者の側に立って支援したいと考えるようになりました。また、構造設計という専門分野だけでなく、建物に求められるさまざまな要素を横断し、建設という仕事をより全般的に見てみたいという思いもありました。
転職を考え業界を見渡していた時、当時の社長の著書『施設参謀』に触れる機会がありました。山下PMCと一緒に仕事をした経験はなかったのですが、お客さまのビジョンを実現するという考えに共感し、入社を決めました。
――入社後は、どんな仕事をしていますか?
現在はグローバル事業本部でインバウンド、アウトバウンド事業を担当する2つの部の部長を務めています。
インバウンドでは、外資系企業の対日不動産投資を支援しており、多くは外資系ホテルの開発です。また、外国政府系の組織が日本で所有する集合住宅の維持管理をお手伝いするプロジェクトもあります。海外のお客さまが持つ独自の価値基準やスタンダードと、日本の建設業界の慣習とのギャップを明らかにし、課題を整理しながらプロジェクトを進めていくことが重要になります。
一方、アウトバウンドでは主に日系企業の海外進出を支援しています。現在担当しているのは、日本の製菓工場をアメリカで建設するプロジェクトで、アメリカの現地企業が設計・施工を担当します。例えば工事中の設計変更の協議において、日本ではある程度まとめて議論するような細かな変更でも、アメリカではひとつひとつの項目について都度お客さまのサインがなければ次に進めないなど、「契約社会」を実感しています。
プロジェクトをマネジメントするうえで品質・コスト・工期が重要な点は日本と同じですが、国が違えば商習慣や法令、契約、言語などが異なります。お客さまの意図を相手方へ、ときには相手方の意図をお客さまへ分かりやすく伝達し、手戻りのないよう注意を払ってプロジェクトを進めています。どこに違いがあり、何がボトルネックになっているのかを一つひとつ解き明かしていくプロセスは、大変ですがやりがいを感じるところでもあります。
――山下PMCのグローバル事業の成長に向けて必要なことは何でしょうか。また、どんな資質を持った人が活躍できると思いますか?
山下PMCは今後もグローバル事業の業務拡大を予定しており、一緒に働いてくれる仲間を常に募集しています。
グローバルプロジェクトは、「毎回がチャレンジ」です。建物の仕事は用途や場所、お客さまが違えば毎回新しいことばかりですが、そこに「海外」という要素が加わることで、「未知との遭遇」の機会がさらに増え、非常に刺激的な仕事になります。
一方で、目の前の状況の何が新しいことで、どこから先が不透明なのかを冷静に見極めて判断していく力も必要。楽しむ気持ちと、お客さまの立場に立ってものごとを広く見られる視野、その両方を持っている方が活躍できると思います。
国や文化が違っても、プロジェクトを成功に導くうえで大切なことは共通しています。それは、プロジェクトに関わる全員が同じ方向を向くことです。ものづくりに携わる人の「良いものをつくりたい」「お客さまに満足してほしい」というマインドは、国籍を問わず共通していると感じます。現地の設計者や施工者も、どうすれば日本のクライアントが満足するプロセスになるかを真剣に考えてくれます。
私たちがPMr(プロジェクト・マネジャー)として特に意識しているのは、お客さまご自身の「生の言葉」で思いを伝えていただく機会を設けることです。外国人の設計者や施工者は、日本人のクライアントが「本音では何を求めているのか」を非常に気にしています。お客さま自身の言葉でプロジェクトのゴールや思いを語っていただくことは、チーム全体の雰囲気づくりに欠かせず、その効果は絶大です。
不慣れな国での事業で奮闘するお客さまの懐刀(ふところがたな)として寄り添い、プロジェクトの推進をお手伝いすることで、山下PMCが掲げる「your edge」の約束に応えられるのではないかと考えています。
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PROFILE
グローバル事業本部 インバウンド事業部
グローバル事業本部 アウトバウンド事業部
部長 調 浩朗
2007年大学院修士課程修了、大手建設会社にて2007年から2021年8月まで構造設計業務に従事し、2021年9月より山下PMCに入社。「GLP昭島プロジェクト」「森永製菓アメリカ工場」などを担当。
山下PMCの理念