社員インタビュー05
建築と経営、二つの視点を武器に
プロジェクトと会社の未来を創造する
グローバル事業本部 ホテル事業部
管理統括本部 経営戦略本部 経営企画部
プロジェクトマネジャー
長谷部 花奈
経営コンサルティング会社から山下PMCへ
大学院で建築を学んだ後、経営コンサルティング会社を経て、2021年に山下PMCに入社した長谷部さん。現在は、不動産活用戦略支援をはじめとする多様なプロジェクトを手掛けながら、経営企画室のメンバーとして会社の未来づくりにも貢献しています。
――前職は経営コンサルタントですね。山下PMCに転職した理由を聞かせてください。
大学院まで建築を学んでいましたが、新卒では経営コンサルティング会社に入社し、建築とは全く関係のない業界に対し、新規事業立案支援やDX推進支援等様々な仕事を行っていました。建築業界に最初から飛び込むのではなく、一度、広い世界を見てから建築の分野に戻りたいと思ったのです。キャリアの最初の段階で視野を広くもっておくことで、建築業界を第三者的な視点で見られるようになり、長期的に役立つと考えました。
3年ほどコンサルタントとしてさまざまな業界のプロジェクトを経験し、建築業界に戻ることを決めたとき、候補として設計会社、ゼネコン、そしてCM会社の3つがありました。その中でCM会社、特に山下PMCを選んだのは、前職で培ったコンサルティング的な思考や、数年社会人経験を経て建設業界に飛び込んだからこそ、建設の業界や技術を知らない人の気持ちが分かるという私の強みを生かし、発注者側に立ってお客さまに寄り添えると思ったからです。
――異なる業種への転職で苦労したことは何ですか? また、それをどう乗り越えたのでしょうか。
一番苦労したのは「言葉」の壁です。前職は建築と全く関係のない仕事でしたし、実務では大学の建築学では使わない専門用語も多くあります。例えば、設計期間といっても「基本設計」と「実施設計」の区別があったり…。入社当初は皆さんが何を話しているのか分からない状態からのスタートだったのです。
そんな右も左も分からない状態の私を支えてくれたのが、周りのメンバーでした。山下PMCには、何かを知りたい、学びたいという姿勢を歓迎してくれる文化があり、質問をすると皆さん丁寧に教えてくれます。おかげで、何とか業務についていくことができました。
ただ、断片的な知識を点で覚えていくと、誤った理解のまま進んでしまう可能性があります。効率的、体系的に知識をインプットするために、まずは基盤をしっかりと整えることが先決だと思い、入社初年度に一級建築士の資格を取得しました。資格取得の勉強は、働きながらだったのでもちろん大変でしたが、会社のメンバーも応援してくれ、なんとか合格することができました。
資格の勉強をしたことで知識の基盤ができたのはもちろん、設計会社やゼネコンとの会議の場などでは、「一級建築士」という資格が私の知識を客観的に証明し、お客さまに安心していただくための一つの材料になっています。
――現在は主に、お客さまの保有する不動産活用戦略の支援を手掛けているそうですね。
はい。土地を売る、貸す、あるいは建物を建てる等といった多様な選択肢の中から、お客さまの希望に寄り添い、最適な活用方法を一緒に見つけ出し、実現させていく仕事です。
不動産戦略を考える上での私たちの価値は、経営的な視点と建築的な視点の両方から、一歩踏み込んだ具体的な提案ができる点にあります。お客さまは、建築の専門家ではありません。そのため、私たちはまずプロとして、その土地で実現可能な建物の規模やプラン、概算の建設費といった具体的な情報を提供します。例えば、本社移転でAとBの二つの敷地を比較検討している場合、不動産的には収益性やアクセスといった観点からの評価が主になりますが、私たちはさらに踏み込んで、「こちらの敷地形状ならこのようなワークスペース構成になり、お客さまが描いている将来の会社のあり方に合致するのはこちらの案です」といった具体的なプランニングまで可能です。
実際に、ある土地活用の案件では、オフィスにする場合と住宅にする場合、それぞれの簡単なプランを作成し、収益シミュレーションと合わせて提示しました。お客さまからは「プランがあることで現実味が湧き、判断がしやすくなった」という言葉をいただきました。構想を「見える化」し、お客さまの意思決定を具体的に後押しできることにやりがいを感じます。
※2025年8月取材時当時の情報。
――社内では経営企画部を兼務していますが、どんな仕事をしていますか?
前職が経営コンサルタントだったこともあり、入社時から経営企画部を兼務しています。山下PMCは現在、社員数250名規模で、まさにベンチャーから次のステージへと拡大していく途上にあります。会社の“核”を何にするのか、今後どの方向に拡大していくのかといった、会社の在り方を役員陣が議論する場に同席できるのは、非常に貴重な経験で、会社の未来を創っていくプロセスに大きなやりがいとワクワク感を感じています。
山下PMCのボードメンバーは、ゼネコンなどで長年キャリアを積んできた人がほとんどで、経営に関する専門知識を持っているわけではありません。そこで私は、前職で得た知見を生かし、一般的な企業経営の考え方や他業界のトレンドといった情報を提供しています。例えば、人員構成を検討する際に、他社の事例を基に年齢や階級のバランスについて意見を述べたり、採用戦略の議論に繋げたりしています。
また、会社の経営計画を練るにあたり経営コンサルティング会社と協業する際には、両者の「翻訳者」としての役割も担っています。建築業界の常識が、必ずしも世間一般の常識ではないことがあります。その逆もまた然りです。両方の業界の言語で会話ができることが、私の価値なのかもしれません。
これからも許される限りさまざまな業務を担当し知識を蓄えて、将来のキャリアに繋げたいと思っています。
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PROFILE
グローバル事業本部 ホテル事業部
管理統括本部 経営戦略本部 経営企画部
プロジェクトマネジャー 長谷部 花奈
2018年大学院修了。経営コンサルティング会社にて官公庁向け事業計画・実行支援や民間企業向け新規事業立案支援等に従事し、2021年山下PMCに入社。「日系メーカーの韓国への工場建設支援」「銀行の保有ビル建替え事業収支検討」「新聞社のCRE戦略立案支援」「新秩父宮ラグビー場の設計施工者選定支援」「名古屋市中央卸売市場本場及び北部市場機能向上整備基本計画策定業務」等を担当。
山下PMCの理念