社員インタビュー04
ワークライフバランスを保ちつつ、チームで「お客さまのために」を追求する
環境ソリューション本部 サステナビリティ戦略部
プロジェクトマネジャー
古本 一貴
鉄道会社のインハウスエンジニアからCMrへ
鉄道会社のインハウスエンジニアの経歴を持つ古本さん。安全第一の現場で培った発注者視点と、大学時代から研究してきた環境工学の専門知識を武器に、山下PMCでは機械設備のCMr(コンストラクション・マネジャー)として活躍しています。ワークライフバランスを大切にしながら、自分ごととしてプロジェクトに取り組む古本さんの仕事への向き合い方に迫ります。
――前職は鉄道会社だそうですが、そこでの経験と転職のきっかけを教えてください。
環境工学の大学院で駅舎の温熱環境などを研究していたこともあり、新卒で鉄道会社に入社しました。建築職のインハウスエンジニアとして、駅舎の新築・改修工事の設計・施工監理や計画の予算要求などに携わっていました。公共性の高い計画を進めるやりがいや、細部を決める楽しみを感じていましたが、その一方で、もどかしさも抱えていました。
鉄道会社では、利用客の安全を何よりも優先し、技術的な制約やデザイン上の制約が厳しく定められています。新技術の導入には、安全性の検証に数年かかることもあり、世の中の技術トレンドからどうしても遅れてしまう。異動も多く、手掛けた仕事の成果を見届けられないこともありました。
また、結婚して家庭を持ったことで、不定期の夜間勤務や地方転勤のある働き方が自分に合っているのかを考えるようになりました。さらに、コロナ禍で設備投資への予算が縮小され、自分のやりたいことを実現しにくい環境になったことも重なり、転職を決意しました。
現在は、主に機械設備のCMrとして、さまざまな建物に携わっています。お客さまの要望を吸い上げて整理し、設計者や施工者との認識のすり合わせを行うのが主な仕事です。前職でも、建築の専門家ではない方々に対して分かりやすく説明し、理解を得ながらプロジェクトを進める役割を担っており、そのプロセスに楽しさを感じていました。それは現在の仕事にも通じる部分があります。
また、大学時代に培った環境工学の専門知識を活かして、ZEB化(ネットゼロエネルギービル化)の検討など、建物の脱炭素化に関する業務も手掛けています。
――育児休暇も取得されましたが、転職によってワークライフバランスはどのように変化しましたか?
山下PMCは建築業界でありながら夜間勤務や転勤がなく、スケジュールをマネジメントする立場として、家族を核とした働き方ができています。
私たちが手掛けるプロジェクトは長期間にわたるものがほとんどで、定例会議の日程やプロジェクト全体のクリティカルパス(最重要工程)が明確になっています。そのため、業務の繁閑がある程度事前に把握できるので、前倒しで仕事を進めることで業務量のムラをなくし、プライベートの時間を充実させています。鉄道会社時代は、事故などの突発的な事象が発生すると、予定外の緊急点検が入ることもありましたが、今はそういったことはまずありません。
また、山下PMCではチームでプロジェクトを進める体制が整っていることも大きな違いです。先日、子どもが生まれた際に3.5カ月間の育児休暇を取得したのですが、その間もチームのメンバーがしっかりと業務をフォローしてくれました。休む期間が決まった段階で、事前に担当業務の進め方や留意点を資料にまとめて引き継ぎを行ったことで、休暇中はほとんど連絡が来ることもなく、家族と大切な時間を過ごすことができました。
プロジェクトの山場を越えたタイミングで休暇に入れたのも、スケジュールが明確だったおかげです。突発的な休みが必要になった場合でも、チームでフォローし合える環境なので、ワークライフバランスを大切にしながら働けます。
――お客さま目線を忘れず、山下PMCが掲げるCutting-edge Servicesを提供し続けるために心がけていることは?
二つのことを大切にしています。一つは、プロジェクトを常に「自分ごと」として捉え、「やるなら楽しく」という姿勢で臨むことです。
どんな業務も自分ごととして捉えれば、その重要性が見えてきます。嫌々やその場しのぎで仕事をしていては、後でしわ寄せが来るだけでなく、仕事自体が辛くなってしまいます。せっかく担当するなら、全部楽しもうという気持ちで取り組むことが、結果的に自分自身の成長にも繋がると信じています。自分が楽しく仕事をしていると、お客さまも小さな懸念や相談ごとを話しやすくなるようで、そこからより良い建物を目指すヒントが生まれることもあります。
もう一つは、「お客さまのためになるなら遅すぎることはない」という、入社後に上司からもらったアドバイスを胸に刻むことです。
以前、プロジェクトが進んだ段階で、ある設備の追加を提案すべきか迷ったことがありました。図面も見積もりもほぼ固まっており、今から変更するには契約変更などの手続きが必要になるからです。しかし、上司の言葉を思い出し、お客さまの判断を仰ぐべきだと考え、正直に状況を説明しました。
結果的にお客さまは「今回は見送る」という判断をされましたが、「気づいた点を伝えてくれてありがとう」という言葉をいただき、信頼関係が深まりました。言いにくいことであっても、お客さまの利益を第一に考え、中立的な立場で誠実にお伝えすることが、私たちの責務だと考えています。
これからも、大変なことはあると思いますが、それを成長のチャンスと前向きに捉え、何事にもチャレンジする姿勢を忘れずにいたいと思っています。
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PROFILE
環境ソリューション本部 サステナビリティ戦略部
プロジェクトマネジャー 古本 一貴
2017年大学院修了。鉄道会社にて建築業務(インハウスエンジニア)に従事し、2023年山下PMCに入社。「新秩父宮ラグビー場(仮称)」「東京オペラシティ ライフサイクルマネジメント・ ゼロカーボンアシスト」「鉄道情報システム(株)国立事業所南館新築工事」等を担当。
山下PMCの理念