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プロジェクトストーリー

大阪・関西万博(中編)

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日本のモノづくりの凄さ、建設会社の施工力の底力

大屋根リングの上から、会場全体を見渡す。天然芝に座り、空や海を眺めることもできる。

チームが一つになって、果敢に挑む雰囲気がありました

三岡
僕が携わっていた範囲で言うと、SANAA(サナア/妹島和世氏と西沢立衛氏による建築ユニット)設計の「Better Co-Being」は洗練されたデザインで、技術的にも難度が高かったですね。森に溶けて空に浮遊しているようなキャノピーなのですが、鉄筋のフレームが3万カ所以上も溶接されて実現しています。その技術はおそらく日本のモノづくりならではです。SANAAの設計ももちろんですが、それを実現できる日本の職人さんもすごい! 
加々井
あれはきれいですね。技術力の高さという意味では、建設会社の力もすごく大きいと改めて感じています。あの大屋根リングは3社で工事しているのに、正直どこでつながっているか分からない仕上がり。世界に誇ることのできる日本の素晴らしい施工力だと感じました。
渋谷
4つの大工区を担う建設会社が決まったのは2022年の8月ぐらいで、実際に工事に着手したのは翌年からなんですよね。2 年弱で、何もない更地からここまで整備ができる日本の建設会社の施工レベルには凄いものがありますね。
杉本
いろんな人に言われましたよね。「絶対間に合わない」「無理だ」って。僕が関わった「大阪ヘルスケアパビリオン」、とても“欲張りな建物”なんです。屋根の形状が複雑なだけでなく、透明で上から水を流してそれを滝のように落として池をつくって、その水を循環させて……。CMrの立場としては、「水漏れしないか」とか「来場者が濡れるんじゃないか」とか最初は心配もありましたが、全員のアイデアと技術を結集し、無事完成できました。夜のライトアップもきれいで、評判がいいんですよ。

大きなプロジェクト故に、苦労された部分はありますか?

渋谷
難しさの一つに、やはりステークホルダーが非常に多いことがありますね。私は協会が実施するPMを支援する業務を推進していましたが、自分が直接的に関係しない部局の人たちなど、多岐にわたって何百人といるわけです。準備期間が5年にもわたる事業なので、途中で異動する人も少なくありません。そこで私たちが情報伝達のつなぎ役を担うこともありました。許認可も大変でしたね。あとは、国、府、市、民間、それぞれのスポンサーから「あれどうなっている?」「新たにこんなこともやってみたい」といった問い合わせや要望が次々と降り注いでくるので、それらへの対応も普段と違うものがありました。それから、省庁経由のお願い事が来たりして、協会さんから相談を受けて、いろいろご提案をしたり……今思えば、結構難しかったですね。
杉本
パビリオンについても類似事例がなかったので、スケジュール、コスト、つくり方など、すべてにおいて通常のプロジェクトとは違う進め方が必要でした。万博は開催日が決まっているので、スケジュールは動かせません。開催までに完成させるために、発注者・関係者が一丸となりました。コストについても厳しい状況でしたが、チームで解決策を導き出しました。もちろん、建設会社さんの心意気には頭が上がりません。
加々井
限られた期間で絶対に成功させなければならないというプレッシャーを乗り越えるためには、チーム全体の信頼関係の構築は不可欠ですよね。大規模のイベントの場合、「建物をどうする?」の前に、最初の1年間くらいかけて発注者と総合戦略を考えます。発注者も、何百という建物をマネジメントできる体制を取らないといけないので、共通価値観を持っていただく意味合いもあります。発注者が「困った」と言ったときにちゃんと答えるのが仕事なんですが、先方に懐疑心があると決してうま くはいきません。「ともに成功に向かっているんだ」という信頼関係は本当に大切です。その意味では、このプロジェクトではしっかりお役に立てたかなと思っています。

大阪・関西万博の成功に向かって阪急CMの皆さまとワンチームで歩んだ5年間

  • 阪急コンストラクション・マネジメント株式会社
    プロジェクトデザイン部  建築担当部長  高草大次郎さん
    2020年のJV発足以来、阪急CM側のチームリーダーを務めさせていただいております高草です。2020年に山下PMCさまからお声掛けを頂き、我々阪急CMとしては、これまであまり経験のなかった大規模イベントにおけるPM業務に携わるという、貴重な機会を頂戴いたしました。改めまして、この場をお借りして御礼申し上げます。
    振り返りますと、学ばせていただ くことばかりで、「お役に立てた」と言えるような自信はございませんが、関西のCM会社として、事業者サウンディングや各種打ち合わせを通じて、地元企業と山下PMCさま及び協会さまをつなぐハブのような役割を、微力ながらも果たすことができたのではないかと感じております。
    中でも特に印象深かったのは、ドバイ万博の視察です。大阪・関西万博の約3倍の敷地面積、かつ予算規模においても全くスケールが異なるため、圧倒されながらも、「万博」の意義や楽しさを改めて実感しました。あの視察をきっかけに、JV内の士気も一層高まり、山下PMCさまとのつながりもより強固なものになったと感じております。
  • 阪急コンストラクション・マネジメント株式会社
    プロジェクトデザイン部  マネジメントリーダー  坂下昌平さん
    2021年より、阪急CM側の主任技術者を務めております坂下です。私にとって、競合他社とJVを組むのは初めての経験であり、またプロジェクトの規模の大きさもあって、当初は不安も抱いておりました。しかし、山下PMCさまのマネジメント力や対話力、資料の質の高さに触れる中で、自然とモチベーションが高まり、大変多くの学びを得ることができました。
    私にできたことといえば、大阪のディープな飲み屋をご紹介する程度でしたが、暑気払いや忘年会、特に新世界ツアーなどを通じて距離が縮まり、業務も円滑に進んだと感じています。「飲みにケーション(古)」、まだまだ効果的ですね。
    渋谷さんが毎年キックオフで掲げられるクレド「相手が理解していなければ、伝えていないのと同じ」という一文は、今回の協業で得た大きな学びであり、今では私の仕事の大切な指針となっています。この5年の経験を糧に、業界をともに盛り上げていければ幸いです(競合の際はお手柔らかに……笑)。
  • シグネチャーパビリオンに囲まれた「いのちパーク」。
  • 「大阪ヘルスケアパビリオン」の出展テーマ「REBORN」を象徴するらせん柱。

プロジェクトに関わったマネジャー

関連する用途

  • イベント会場整備

    昨今、スポーツやアート等の期間限定イベントの会場整備にPM/CMを導入する事例が増えています。会場整備の手法としては、仮設建築物や工作物の新設、改修・増築による恒設施設の利用があります。また、開催後は撤去・復旧工事、レガシーとしての残置など複数パターンの対応が考えられます。プロジェクト推進では、主催者・運営者・会場所有者が異なるケースが多く、会場整備において調整が必要な関係者は多岐にわたります。

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