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脱ガラパゴス化を目指す山下PMCの3つの事業構造転換 脱ガラパゴス化を目指す山下PMCの3つの事業構造転換

A00[エー・ゼロ・ゼロ] (米軍任務指令書番号)

A00[エー・ゼロ・ゼロ] A00という言葉をご存じでしょうか?米軍の任務指令書の最初の項目で、目的やありたい姿(希望・夢)のことを指します。つまり、プロジェクト計画書の1枚目にくるのが、本質的な目的であるA00なのです。事業の最終的な目的は、利益を上げることだけではありません。利益は結果であり、事業本来の目的は社会に価値を提供することであるべきです。建設コンストラクションマネジメント業務の目的は、とかく数値目標であったり、技術的なコンサルティングであったりします。確かに最終的なゴールに向かうための通過点として、数値目標を設定し、クリアーすることは重要です。しかし、最終目的であるA00にするには程遠く、社会に対する価値提供や、社会が抱える問題の解決策にはなりそうにありません。

近年、大きな時代の変化を迎え、先行き不透明な中で、山下PMC のマネジメントは大きく変化しようとしています。いや、大きく変わらなければいけないのかもしれません。今回の季刊誌特集では、激動する時代の変化とともに、社会に対して山下PMC は何を価値として提供できるのか、山下PMCの“Next Management” とは何か、山下PMC のA00とは何かを探りたいと思います。

見えない価値

見えない価値 2000年以降の社会的変化は、日本はもちろんのこと、世界的に大きなパラダイムシフトをもたらしました。リーマンショック以降の世界的不況、地球規模の環境問題、ICT の急激な普及による新たなビジネス展開。日本にいたっては、20年後には65歳以上が全人口の3分の1を占める超高齢社会に、先進国の中で最速で突入することによるさまざまな問題の顕在化、また、東日本大震災と原発事故からの復興と、今までに経験したことのない社会を迎えることになります。建設業界に目を向けてみると、“ 脱ガラパゴス化” が叫ばれる中、従来の建設事業特有の課題だけではなく、時代の変化にわせて課題自体が多様化、深度化してきています。逆に言えば、従来のマネジメント手法やソリューション手法では、解決できない課題が増えてきたともいえます。

では、このような時代の流れの中で、事業戦略がどのように変化してきているのか。また、今後の事業戦略はどのような方向へ向かうのか。この問いに対して答えている『事業戦略3.0(著:HR インスティテュート)』を参考にしてみたいと思います。 『事業戦略3.0』によれば、今後の事業構造転換を前提とした新しい事業づくり、そのための新しい戦略の考え方を『事業戦略3.0』と称し、それまでの事業戦略の流れを、事業戦略1.0⇒事業戦略2.0という流れで説明しています。

高度成長期においては、『環境分析』から戦略を導いてきました。よって、同じ業界に属していれば、同じような戦略、同じような価値提供になります。伸びている市場においては『変化対応』で良かったことになります。『競合よりもうまく変化に対応しよう!』が戦略でした。これを事業戦略1.0としています。『事業戦略2.0』になると、市場は低成長、成熟化あるいは衰退ステージになります。環境変化に対応するだけでは、一緒にジリ貧です。そこで『変化創造』が求められました。『自らが主体的に環境に影響を与え、変化をつくり出すことで新しい価値をもたらそう!』という戦略です。確かに、山下PMC に求められる事業者からの要望は、変化創造的なものが見受けられます。 そして、今後の『事業戦略3. 0』においては、『変化対応』か『変化創造』かという、変化への向き合い方という変数に加えて、さらに変数がひとつ増えるといわれています。それは提供する『価値』の内容、特徴であります。 事業戦略1.0と2.0は『見える価値』が中心でした。3.0になると提供する価値は『見えない価値』へと変わります。分かりやすく言うと、売上や利益、市場シェアといった数値重視が『見える価値』であり、お金で買える価値とも言えます。『見えない価値』とは、事業構造転換を前提とした社会的な価値や社会的な意義につながる価値です。現在、CSR、コンプライアンス、リスクマネジメント、環境問題への企業の関心の高まりは、まさに『見える価値』から『見えない価値』への移行の兆しともとらえることができるのではないでしょうか。また、この社会的責任を『コスト』ととらえるのではなく、『成長分野』ととらえ、ビジネス展開する企業が現れてきています。山下PMC も、この激変するこの時期を契機とし、“Next Management” は何かを問い詰め、社会に貢献すべく、『見えない価値』を探求しなければいけないと考えます。

事業構造転換における『3つの転換』

このように、事業戦略を『1.0』から『2.0』へ、そして『3.0』へと進化させることで、事業構造も変化していきます。このとき求められるのが『転換的イノベーション』です。『事業の価値』を、より『変化創造』という主体的な観点から、『見えない価値』という社会的な価値へと転換します。それを事業として体現することが事業構造転換と考えます。

事業構造転換における『3つの転換』

この事業構造転換を実現するためには大きく3つの転換を実現する必要があると考えます。

1.事業価値の転換
社会の変化、市場の変化を踏まえ、事業を通して提供する価値をいかに変えていくか?

2.ビジネスモデルの転換
新たな考え方による事業価値を提供するために、どのような事業上の仕掛けを変えていくか?

3.マネジメントシステムの転換
事業を常に進化させ続けるための社内的な仕組みをどのように変えていくか?

山下PMC は、この3つの転換をベースに、社会に対して新たな価値(=見えない価値)を提供するために進化していきたいと考えています。
今回の特集(Next Management)においては、まだビジネスには程遠い状態ではありますが、その一部を紹介いたします。
○スマート化社会の到来
○超髙齡社会を向かえうつ共創「産官学連携」の力
○病院BCPを考える

イノベーションとは、生き方、哲学そのものであり、本を読んでできるものなどでない。 『こうあるべき』という絶対的価値の追求が大きなイノベーションを生む

~ 一橋大学大学院教授 野中郁次郎 ~
【参考文献】
○ 事業戦略3.0(著:HR インスティテュート)