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機動力あふれる「D-OODA(ドゥーダ)」ループで経営を変える

日本の労働生産性が低い理由

日本の年間労働時間は2000時間の高止まりで、所得は上がらず成長率は1%。一方EU は、年間労働時間1500時間ながら成長率2%です。この日本の労働生産性の低さについて、私なりにずっと考えてきた結果、決定的に足りないものはマネジメントだと確信しました。「マネジメントが存在しない」=「組織を機能させ、成果を出す仕組みがない」ということです。

私には「マネジメントはサイエンスとして突き詰めるべきだ」という信条があり、社内の人財育成でもさまざまなフレームワークや体系を構築してきました。でも、「ピースがひとつ欠けている」というモヤモヤがずっとありましたが、そんな時、当社の社員が紹介してくれた1冊の本を読んで、私は雷に打たれたような衝撃を受けました。

その本では、「D-OODA(ドゥーダ)」ループというフレームワークが紹介されていました。日本で馴染んでいるPDCAサイクルとは違い、より機動性をもって判断と決断を繰り返すのが特徴です。

「D-OODA」ループを経営に取り入れるメリットは主に以下3点です。

1.誰もがリーダーになることができる
2.素早い決定を習慣化して何度でもトライできる
3.年齢や経験に囚われず、誰でもアイデアを実践できる

メリット1:誰もがリーダーになることができる

リーダーとは固定化された役割だけではありません。社長や部長といった役職・肩書にかかわらず、たとえば、プロジェクトや社外との会議、社内のイベント等でもその場その場でリーダーの必要性が発生します。そこで役立つのがD-OODAです。

もともと、D-OODAは、ジェット戦闘機同士のドッグファイト中にパイロットがいち早く状況を掴んで的確に動くために生まれたものであり、「いかに早く考え、結論を出すか」という点に特化しています。まさに行動する仕組みを整え、臨機応変に素早く判断したい私たちにとってピッタリの手法です。もちろん従来のPDCAが悪いと言っているわけではありません。ただ、新しいイノベーションを起こしたいと思うと、PDCAには巨大な船を一足遅れて方向転換させるような重さを感じるのも事実です。

当社でもできるだけ早く全社員にD-OODAを浸透させ、機動経営につなげたいと思っています。

メリット2:素早い決定を習慣化して何度でもトライできる

D-OODAが浸透することで、冒頭に述べた日本人のマネジメント力の醸成に役立ちます。なぜならば、皆が短いタームを複数回せるようになるので、トライアルと結果の数が増えるからです。極端な話をすれば、今日考えたことを明日実践して結果が分かる。常に考えながら行動し、行動しながら考えることを求められるので、立ち止まってただ悩むだけの時間も減るのではないでしょうか。

【実践例】
山下PMCがマネジメントを担当した「UDトラックス 全国拠点整備支援業務」には、D-OODAループが適用されています。全国のトラック販売・整備拠点(カスタマー・センター)の建て替え・増築を、同時並行的に進め、即座に事象に対応するためにプログラム化しました。

山下PMC 実績・事例
「UDトラックス 全国拠点整備(本社ビル+上尾工場+14拠点)」

図のように、今の国内産業は、技術や人財は優れたものが揃っていても、統合する、プラットフォーム化する、そして、新しいビジネスとしてマネタイズするルートが途切れています。残念ながらまだ、点線上のプラットフォーム化までは昇華できていないケースがほとんどです。でも、D-OODAを上手に使えば、この状況を打破できるかもしれません。

メリット3:年齢や経験に囚われず、誰でもアイデアを実践できる

D-OODAが企業内でうまく浸透すると、年長者だけが誰かに指示するような場面は減るはずです。年齢や経験に関係なく各人がDesignを行い、必要なメンバーを自主的に揃えてチャレンジし、失敗したとしてもすぐ次の試行へ動けるマインドになります。

今よりもっと新しい人が新しい発想で何度もトライする土壌ができれば、点線下でバラバラだった技術や人を統合するアイデアが生まれやすくなり、プラットフォーム化へのルートが築けるのではないでしょうか。私たちの会社だけでなく日本全体がそんな空気に包まれればいいなと考えています。

私自身、30代40代の頃から、60代の先輩に対しても「ここを助けてください」と率直に協力をお願いしていました。彼らは高度経済成長以後を支えた技術を持ち、プロジェクトでその能力を活かしてほしいと考えたからです。そのおかげでたくさんの知恵とサポートを得て、人とは違う発想で事業を立ち上げたり、軌道修正したりすることが出来ました。今思えば一人でD-OODAを実践していたのかもしれません。

年齢も経験も役職も関係なく動ける、みんながリーダーという役割を担うことができる。結果、新しいアイデアが生まれ、リアルな人と技術が画期的な連携をして、日本発のイノベーションが創出される。そのためにD-OODAは非常に有効だと思っています。

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