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CRE戦略マガジン

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山下PMCのCSV実践〈後編〉

施設の形で社会課題解決を図る

「変容していく市場や社会に対し、抜本的な課題解決のための新しい秩序を提案できるイノベーティブな会社でありたい」

顧客のCSVを支援することが、山下PMCのCSV 創出

−− そうなると、建物の用途もずいぶん変わることになりそうですね。「研究開発棟」「管理棟」「生産棟」と分かれていた施設の構成が、「インテリジェンスの集積地」というキーワードで再編成されることになります。

建築用途は社会が行こうとする方向に生まれるものだと思っています。「研究所」「工場」「オフィス」といった既存の用途に当てはまらない施設もこれからどんどん生まれるでしょう。それをお客さまとともに見つけ出し、つくり上げることが、私たちにとっての共通価値を実現する一つの道です。

−− 先程から伺っていると、顧客のCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)を実現しようと支援することが、山下PMCにとってのCSVの実践になっているという印象を受けました。

ここまでの話はすべて、お客さまの会社のCSVのために私たちの会社が実践していることです。でもそのことが自分の会社にとっても利益になる。そこをつなげ、共通価値を生みたいと思っています。

社会の課題解決のための抜本的な秩序を

−− 山下PMCにとってのCSV実践の目標をお聞かせいただけますか。

山下PMCが社会貢献と利益追求を両立するためにめざしている姿は、まず、社会の課題解決を通して、私たちなりの「大義」を提唱し発信できる会社であること。そして常に変容していく市場や社会に対し、抜本的な課題解決のための新しい秩序を提案できるイノベーティブな会社でありたいです。場合によっては慣習や法制度そのものを変えたほうが合理的で、社会的ストレスが解消されることもあるでしょう。そういったことも含めて、お客さまの次世代へのチャレンジを支援していきたいと思っています。

−− もはや施設づくりという枠には収まらない企業活動ですね。

とはいえ山下PMCは建設プロジェクトを実現するために活動している実践主義者で、お客さまの課題や社会の課題を施設という形で解決できるのが強みです。実践を通じて得られた技術やマネジメントの暗黙知を組織としての形式知として体系化し、世の中に発信していくことも、目標の一つです。

最後に、市場や社会の変化に対応できる会社であることです。スマホがガラケーに取って代わったように、世の中は常に大きく動いています。離れた業種同士が融合して一つのビジネスモデルをつくるなんて、昔では考えもつかなかったことが起きている時代です。社会の動きの兆候を見極め、その動きを増幅させる方向で、お客さまの事業創造に貢献する。それがわれわれが生み出すべき明日の価値と思っています。

異業種をつないでイノベーションを誘発する場づくり

−− 最近の山下PMCの出来事を教えてください。

2月24日、異業種交流会を開催しました。今年は亀田総合病院の亀田信介院長、宮城県女川町の須田善明町長をお招きして、地方での取り組みをお話ししていただきました。

私たちがお付き合いしているお客さまは業種はさまざまですが、日本や世界で活躍されている一流の方たちばかりです。もしかしたらお客さま同士の出会いから何か生まれることもあるのでは、と思ったのがきっかけで、2007年から毎年開催しています。中にはそこから発生した合弁事業などもあるんですよ。新たな形のCSVが誕生する可能性を秘めている場だと思っています。

−− 異なる業種がつながってイノベーションが起きそうな場ですね。

もう一つ、山下PMCの広報誌『unsung heroes(アンサン・ヒーローズ)』を書店で扱っていただけるようになりました。私たちの会社が考えていること、社会の役に立つと信じていることを、一人でも多くの方に知っていただく機会を設けようということで始めました。

−− 今号の『unsung heroes』の見どころは何でしょうか。

今回の特集は「建設業界 遅れてきたパラダイムシフト」です。コダック代表取締役社長の藤原浩様と、オンデザインパートナーズを主催する建築家の西田司様をお迎えした座談会を巻頭に掲載しました。

デジタルカメラの普及で写真フィルム市場が急速に縮小した後、フィルム最大手であったコダックがどのように印刷分野へ転身を遂げたのか、藤原社長から大変興味深いお話を伺うことができました。これはフィルムだけでなく、どの業種にも訪れるかもしれない運命です。明日は私たちの業種にやってくるかもしれません。コダックさんの経験の中には、どの業種でも生かすことができる発想や手法が潜んでいて、私自身にとっても非常に刺激的な座談会でした。ぜひ多くの方にお手にとっていただきたいと思います。

次回6月上旬『次号前編』更新予定